“だ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
46.6%
19.4%
9.3%
4.7%
3.0%
1.7%
1.4%
1.3%
1.2%
1.2%
(他:118)10.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一人ひとりかみの二三ずんびたあたまして、あしには草履ざうり穿いてゐる。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
散歩がてらに、平岡の所へ行てやうかと思ひしたが、散歩が目的か、平岡が目的か、自分には判然たる区別がなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
婆さんはその薄暗の中に、半天はんてんの腰をかがめながら、ちょうど今何か白いけものき上げている所だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
りながら、りながら、同一おなじ子持こもちでこれがまた野郎やらうひざにぞいたりける。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何卒どうか今夜こんや御出帆ごしゆつぱんけは御見合おみあはくださいと御願おねがまうしたのですが
互に測量したものを後で見合みあわせるけの話で、決して亜米利加人に助けて貰うと云うことは一寸ちょっとでもなかった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いましがたまでの何か自分にもわけの分らないような気分が私にはだんだん一種のたしさに変り出したように見えた。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
たちま手負猪ておひじしおそふやうな、殺氣さつきつた跫音あしおと犇々ひし/\ドアる。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れだえ、もう仕舞しまつたから明日あしたておれとうそへば、たつていやね
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
余が今見た影法師も、ただそれきりの現象とすれば、れが見ても、だれに聞かしてもゆたかに詩趣を帯びている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
握りが自慢になるのは、上方かみがた寿司の風情ふぜいのみにし、生気せいきを欠くところに比較してのことである。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
郭淮かくわいはしきりに主張した。良策もなきまま以後、消極的にし過ぎていたことを自身も反省していた仲達は、彼に説かれて、
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仁科にしなの炬燵にもぐり込んで白馬錦はくばにしきをのみながら、ばあさんのみ声でも聞くのが関の山かと思う。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
泰軒先生み声をはりあげて、お美夜ちゃんに、チョビ安のうたを習いながら、ブラリ、ブラリ、大道だいどうせましとやって来る。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その人々はやがて、山頂の三峰権現みつみねごんげんへ出て来た。そしてそこから空を仰ぐと、空には一の雲もなかった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あまり結構でない煙草の煙が、風のない庭にスーツと棚引くと、形ばかりの糸瓜の棚に、一の雲がゆら/\とかゝる風情でした。
よるものは、もちろん、宴もくずれてからの座興なので、みだらな寸劇や、猥雑わいざつな舞踊が多かった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
映画館へ行くにしても、どこのし物も面白くなさそうだと、一つ一つあげてつまらなくこきおろしていた。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
四月の二十二日には、寛斎も例の馬荷一に宰領の付き添いで、片側に新しい家の並んだ馬籠の坂道を峠の方から下って来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
羊毛はカリンポンといってダージリンの東に在る山都会に出て来る分が、毎年騾馬らばでもって五千以上六千駄位ある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
根曲り竹も、楊の根も、樅の肌も、はた長くしなれるサルオガセも、その柔嫩じゅうなんの手に、一旦は、撫でられぬものはない。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
この前にも夜天神を散歩している時、お増は浮いた調子で磯野に歌をうたって聞かせたり、暗いところをしなれかかるようにして歩いていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
小僧は見えかくれにそのあとに従いて行って、自分は木の実を千切ったり、めを漁ったりして喰べて行った。
猿小僧 (新字新仮名) / 夢野久作萠円山人(著)
僕はめをあさる痩せ犬のように、鼻さきが鋭敏になって、あくまで耽溺の目的物を追っていたのである。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
この上に明らかな間違つたことがあらうか? この頃の二人のれ切つた生活も、私が心持の取直し様一つによつて救はれもする。
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
が、眠元朗は娘がそう遣ったときから、忘失してしまったようにからだ全体に重々しいるい悲哀をかんじた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
みのの夕映すごき乾田ひだひぢうち絶えて鳴かずかはづひさしく
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
みのの夕映すごき乾田ひだひぢうち絶えて鳴かずかはづひさしく
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此様こんな女の人は、多勢の中ですもの、幾人もあったでしょうが、其あかさんをいて御居での方が、妙に私の心を動かしたのでした。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
我々があらゆる感情、例えば怒り、憎しみ、または愛にもせよ、すべての感激、冒険といったようなものは、人生及び自然から生起してくる刺戟である。
囚われたる現文壇 (新字新仮名) / 小川未明(著)
妊娠のために感じ易くなっているダーリヤはマリーナをきしめたい程感動した。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
この別荘の中でも評議が初まった。レリヤが、「クサカはどうしましょうね」といった。この娘は両手で膝をいて悲しげに点滴しずくの落ちている窓の外を見ているのだ。
もう一つこの仕事があると思ふと一層身体からだるいやうに思はれて、机にもたれて風の吹き廻る庭を見て居た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
真赤な装甲車の背中が、血痕やガラスの破片を踏みにじりながら、穴を開けて静まってしまった街区の底をごそごそとるそうに辷っていった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
縄はつかまえたが、彼女の力では動かなかった。無理に引っ張れば、おおかみのような甲高かんだかい声をして、吠えつづける。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
急に思い立ったように、近衛信尹のぶただやかたへ帰ってしまったし、行司の沢庵も眠くなったとみえ、無遠慮な欠伸あくびしてしまう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこにこそ外部の静穏の下に、ホメロスの描ける巨人の戦いがあり、ミルトンの語れる竜や九頭の混戦があり妖怪の群れがあり、ダンテの言える幻の渦がある。
ほそふくれたるかしらたなごころに握って、黄金こがねの色を細長く空に振れば、深紅しんくの光は発矢はっしと尾よりほとばしる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「さあ、念仏は何にしべいか。ァまァぶつにするか。ジンバラハラバイタァウンケンソバギャアノベイロシャノにするか」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
南無阿弥陀仏なむあみだぶつ、南無阿弥陀仏、南無なむ……阿弥陀あみだ……南無阿弥なむあみ…………ぶつ南無なむ……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
が、壱岐殿坂時代となると飛白の羽織を着初きだして、牛肉屋の鍋でも下宿屋の飯よりはうまいなどと弱音よわねを吹きした。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
椿岳の画が俄に管待もてはやされして市価を生じたのはマダようやく十年かそこらである。
まだ乾き切らない湿気と鈍い日差しが皆の心も体もるくさせて、天気に感じ易い私は非常に不調和な気分になって居た。
追憶 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かれはすぐ飯を食わすというとるそうに起きあがり、のそのそと僕のあとをいてきたのである。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
介は、顔を抱えて少しよろめいた。それへ向って、さらに正季の二が追いをみせたときである。縁の上から正成が、
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一ハシ、一ハ刺ス、棒ニやいばナクンバ何ヲ以テ刺スコトヲサン。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
冴ゆる氣になれば、氣象玄妙、神理幽微、予輩たゞ教を外に受けて證を内に全うせざる者は、を塞ぎ坤に居る可きのみであるから姑く擱きて言はぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「たわけめが。手下の兵へもよく申しわたしておけ。いまや王政の下、その朝廷の御保証において発された楮幣ちょへいなのだぞ。しかも汝らは宮将軍の一兵だ、世間の中でも威張ッてつかえ。もし非を鳴らす者あらば、いつでもわが門へ引ッぱって来い。――それなる酒屋のおやじ同様、検非違使けびいしの牢へぶち込んでくれる」
あえて 盆〓ぼんおううちせんや、
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二十何年ぶりかで鹽原へ來て、前の鹽原より今の鹽原が便利で、そして平安であるのみならず、到るところ清潔きれいになつて、しかも幸に俗趣味にもせぬ公園的の美に仙郷的の幽を兼ねた土地と發達したのを見て、愉悦の情に堪へぬ氣がした。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「行って見て来いよ。小僧。引っくりえってたらモウ一度バッグを開けてやれよ。中味をフンくって来るんだ。ナア小僧……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これやあ、こう見えても、生れつきのものじゃあねえぞ。そもそもは洲股すのまたの戦いで、斎藤方の湧井将監わくいしょうげんてえ八十騎持ちの侍に出会い、あの河原でだ、そいつの槍を、ふんくろうとしたら、突いて来やがった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或る暑い六月の末に、鉄は朝からるさうに寝てばかりゐて、呼んでもすぐには起きなかつた。
鉄の死 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
玄徳は一世の英雄。いかに各〓が切歯せっししたところで、彼が正陣を布いているうちは、打ち破ることはできない。ただ長陣となっては、この炎暑と病人の続出と、士気のすることは、如何ともすることができず、ために、水辺へ陣を移したのだが、それにも入念に計を設け、わざと弱々しい老兵軍をのこして我を誘い、自身は精鋭をそろえて、谷間にかくれていたものだろう。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山の一つのひだのくぼみ、四方閉ざされた正しい円形の谷間で、夕陽の光が一面に当たっていた。
さて、今や怪石の降りくるかと待つほどもなく、九時三十分ごろに至り同町の地先にて、突然降下せしとて拾い上げたる石塊いしころを見るに、あたかも数年間土中に埋まりいたりとおぼしく、十分水気を含蓄せる、縦四寸ばかりの円石なり。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
『悪い狼奴がどうして妾をまして、出世をしたか――』といふ長い文章を書いて王様に進呈しました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
外面如菩薩げめんにょぼさつ内心如夜叉にょやしゃなどいう文句は耳にたこのできるほど聞かされまして、なんでも若い女と見たら鬼かじゃのように思うがよい、親切らしいことを女が言うのは皆なますので、うかとその口に乗ろうものならすぐ大難に罹りますぞよというのが母の口癖でありましたのでございます。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
艫の釜場に入って見ると、一番きがすんで二番炊きにかかったところと見え、五升釜の下で薪が威勢よく燃え、ちょうど飯は噴きこぼれそうになっている。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここでは納所なっしょの僧が、く起きていたらしく、僧の影はひとりも見えないが、二斗きの大釜をかけたかまどの下には、まききつけてあった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)