“金蛇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きんだ85.7%
14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月は中天にありて一条の金蛇きんだ波上にする処、ただ見る十数そうの漁船あり。かがりき、ふなばたを鳴して、眼下めのした近くぎ寄せたり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
入江の奧より望めば舷燈高くかゝりて星かとばかり、燈影低く映りて金蛇きんだの如く。寂漠たる山色月影のうちに浮んであたかも畫のやうに見えるのである。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
二三の漁火ぎょかの星の如く、遠くちらつくと、稀に、銚子行汽船の過ぐるに当り、船燈長く波面にゆるき、金蛇隠現いんけんする如きを見るのみにして、樹林無く、屋舎おくしゃ無く、人語馬声無く、一刻一刻
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)