“裡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち83.5%
なか9.5%
5.3%
うら1.5%
0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昧爽まいさうきよく、しんみて、街衢がいく縱横じうわう地平線ちへいせんみな眼眸がんぼううちにあり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あらゆる人類生活の条件と因縁とを離れて、自分自身の運命を絶対の自由さに支配し得る唯一無上の快い刹那は、今しも眼前数秒のうちに迫っている。
線路 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一人ッ子と言うばかりでなく、この十三になったばかりの繊弱ひよわい子のうちには、十年前に別れた先妻の忘れ難いおもかげが残って居たのです。
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
彼が遠い所から持って来た書物の箱をこの六畳の中で開けた時、彼は山のような洋書のうち胡坐あぐらをかいて、一週間も二週間も暮らしていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
家の中でそういう声のうちに笑いが含んでいた。万吉はいまいましさに唇を噛みしめたが、所詮ムダだと知ったので、もういたずらに逆らわなかった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは文字を白く染抜いた紫の旗で、外に記念の賞を添えまして、殿下の御前おんまえ、群集の喝采かっさいなかで、大佐から賜ったのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「うむ、見せえ、大智識さ五十年の香染こうぞめ袈裟けさより利益があっての、その、嫁菜の縮緬ちりめんなかで、幽霊はもう消滅だ。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くすのきの若葉が丁度あざやかに市の山手一帯を包んで居る時候で、支那風の石橋を渡り、寂びた石段道を緑のなかへ登りつめてゆく心持。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それで妙に氣がくづれてちつとも氣がツ立たぬ處へしんとしたうちなかから、ギコ/\、バイヲリンをこする響が起る。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
すると何処ともなく天外てんがいになつかしい声が聞えて、さわさわと木の葉が揺れるかと思うと、日頃恋い慕っていた姉が、繁みのなかから出てきたのである。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それがしに、使いをお命じ下さるなれば、敵をも救け、味方の一兵をも損ぜず、平和に、高岡の一城を、主君とののお手に収めて参ります」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家庭の光明は、光明の中において最も美妙なるものなり。吾人ごじんは今この光明中よりして松陰を見る、あたかも水晶盤において、氷雪を見るが如し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
彼は人目に触れやすい社交場で、同じ所作しょさをなお二三度くり返した後、発作のために精神にくるいの出る危険な人という評判を一般に博し得た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何かはばかる処あるらしく、一度は一度、婦人おんなが黒い目でにらむ数のかさなるに従うて、次第に暗々おのれを襲うものがきた
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのうちにまた野呂の泣き上戸が始まって、れいの如く、神も仏もないものかと泣きわめく始末で、九時頃には大叫喚にこのヤケッパチの酒宴は終りを告げました。
ボロ家の春秋 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
また赤毛布あかけつとうらをば、んだ姫君ひめぎみあるいたのも、不可思儀ふかしぎ発見はつけんであつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
始めは戯れならむと思ひしが、その容貌ようばうの青ざめたるさへあるに、夜の事とて共に帰らぬ弟の身の不思議さに、何処にてと問ひければ、東禅寺うらにて、と答ふ。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
『そういうお前は、言葉のうらで、良人のおれが、こうして無策むさくな顔しているのを冷笑わらっているのであろうが』
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
繻子と云っても綿入りの繻子でしたが、羽織も着物も全体が無地の蝦色えびいろで、草履の鼻緒や、羽織のひもにまで蝦色を使い、その他はすべて、半襟はんえりでも、帯でも、帯留でも、襦袢じゅばんうらでも、袖口そでぐちでも、ふきでも、一様に淡い水色を配しました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その夜は、早めに、彼は紙帳しちょううらへはいった。そして枕につきかけると、
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮殿、一祖廟ソビョウヲ建テ、号シテ家鬼トウヤマイ、四時牛馬ヲコロシテ、之ヲ祭ルヲ卜鬼ボッキト名ヅケ、年々外国人ヲ捕エテイケニエニソナウ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)