“称”のいろいろな読み方と例文
旧字:稱
読み方割合
とな50.7%
たた14.3%
よ13.7%
い3.8%
ほ3.2%
しょう3.0%
うた2.2%
かな1.8%
となえ1.4%
しよう0.6%
たゝ0.6%
となへ0.6%
たと0.4%
となう0.4%
あ0.2%
いわ0.2%
うと0.2%
えた0.2%
かの0.2%
しやう0.2%
せう0.2%
そ0.2%
たたえ0.2%
たヽ0.2%
と0.2%
な0.2%
イ0.2%
カナ0.2%
タヽ0.2%
ノ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紫玉は我知らず衣紋(えもん)が締(しま)った。……称(とな)えかたは相応(そぐ)わぬにもせよ、拙(へた)な山水画の裡(なか)の隠者めいた老人までが、確か自分を知っている。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昔(いにしえ)の国主の貴婦人、簾中(れんちゅう)のように称(たた)えられたのが名にしおう中の河内(かわち)の山裾(やますそ)なる虎杖(いたどり)の里に、寂しく山家住居(やまがずまい)をしているのですから。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて、一体、日本には、古代から大衆文芸と称(よ)んでいいような文芸作品が存在したのであろうか、という疑問が起って来るであろう。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
オブロモフなんて称(い)ふ小説は読んだこともなかつたが、そんなとてつもない代物に比べられたので、自分が偉くなつた気がしたのだ。
スプリングコート (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
俺の運命をきめるんだ——余り称(ほ)められすぎているから、逃げたことが洩れた時、その逆がきたなら?——いいや、俺は生きている。
寺坂吉右衛門の逃亡 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
で、手にあました浜松城(はままつじょう)の武士(ぶし)や、石見守(いわみのかみ)から訴(うった)えたものであろう、御岳神社(みたけじんじゃ)の衛士(えじ)たちが数十人、ご神縄(しんじょう)と称(しょう)する注連縄(しめなわ)を手にもって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松坂まで行けば、この伊勢の出身者で、近ごろの鬼才と称(うた)われる神子上(みこがみ)典膳のいることは分っているが、武蔵は思い止まって、津で降りる。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文渓堂(ぶんけいどう)及(また)貸本屋などいふ者さへ聞知りて皆うれはしく思はぬはなく、ために代写すべき人を索(たずぬ)るに意に称(かな)ふさる者のあるべくもあらず云々
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
大納言のつかさは「天下喉舌(こうぜつ)ノ官」ともいわれる局(きょく)である。聖旨を下達し、下の善言も納(い)れる機関とあるのでそんな称(となえ)もあったとみえる。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世に越後の七不思議(なゝふしぎ)と称(しよう)する其一ツ蒲原郡(かんばらこほり)妙法寺村の農家(のうか)炉中(ろちゆう)の隅(すみ)石臼(いしうす)の孔(あな)より出(いづ)る火、人皆(みな)奇(き)也として口碑(かうひ)につたへ諸書(しよしよ)に散見(さんけん)す。
快刀乱麻を断つ如く判決し了った宮木裁判長の英断、正道を踏んで恐れざる神戸牧師の勇を称(たゝ)え、尚被告の為めに献身的努力を惜まざりし能勢氏の労を多とすると共に
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
衣絵(きぬゑ)さんに、其(そ)の称(となへ)の似通(にかよ)ふそれより、尚(な)ほ、なつかしく、涙(なみだ)ぐまるゝは、銀(ぎん)の鍋(なべ)を見(み)れば、いつも、常夏(とこなつ)の影(かげ)がさながら植(う)ゑたやうに咲(さ)くのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
おなじ紀州田辺の糸川恒太夫(いとかわこうだゆう)という老人、中年まで毎度野諸村を行商した、秋の末らしい……一夜、新鹿村の湊(みなと)に宿る、この湊の川上に浅谷と称(たと)うるのがある、それと並んで二木嶋、片村
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たまたま鄰人の新聞紙をよみて衣服改良論を称(となう)るものあれば忽(たちまち)雷同して、腰のまがつた細君にも洋服をまとはしめ、児輩の手を引いて、或時は劇場に少女歌劇を見
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
武「名乗って出てお上の御処刑を受けた跡でお題目の一遍も称(あ)げてお呉れ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今より後われ爾曹(なんじら)を僕(しもべ)と称(いわ)ず。そは僕は其の主の行(なす)ことを知らざれば也。我さきに爾曹を友と呼べり。我爾曹に我が父より聞きし所のことを尽く告(つげ)しに縁(よ)る。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
(今度の事のみは、首尾よう仕果されよ。それを称(うと)うて、三河へ帰国の宿望、かなえて取らすであろう程に——)
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殊に剃刀(かみそり)は稀代の名人、撫でるようにそっと当ってしかも布(きぬ)を裂くような刃鳴(はなり)がする、と誉(ほ)め称(えた)えて、いずれも紋床々々と我儘(わがまま)を承知で贔屓(ひいき)にする親方、渾名(あだな)を稲荷(いなり)というが
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
友仁はその馬前へ往って策(はかりごと)を献じたところが、それが月沙の意に称(かの)うて、脱公の幕僚に推薦してくれた。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
即ち鍋上に穴(あな)を穿(うが)てる布片(きれ)を覆(お)ひ、内に餌(え)を入(い)れて之を沼中に投(とう)じたるなり、「どろくき」と称(しやう)する魚十余尾を得(え)たり、形鰌(どぜう)に非ず「くき」にも非ず、一種の奇魚(きぎよ)なり、衆争うて之を炙(あぶ)り食(しよく)すれど
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
かゝる誤りは萬朝報(よろづてうはう)に最も少(すくな)かつたのだが、先頃(さきごろ)も外(ほか)ならぬ言論欄に辻待(つぢまち)の車夫(しやふ)一切(いつせつ)を朧朧(もうろう)と称(せう)するなど、大分(だいぶ)耳目(じもく)に遠いのが現(あら)はれて来た。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
才物だ。なかなかの才物だとしきりに誉(ほ)め称(そ)やし、あの高ぶらぬところがどうも豪(えら)い。談話(はなし)の面白さ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
君が秀(すぐ)れし詩才を称(たヽ)ふることよ。
失楽 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
風の西に吹くを能く見るものを達識者と呼び、風の東に転ずるを看破するものあれば、卓見家と称(と)なへんとす。勇者はその風に御して高く飛び、智者はその風を袋に蓄はへて後の用を為す。
哀詞序 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
釣の道でも(岡)と称(な)がつくと軽(かろ)んぜられる。銑吉のも、しかもその岡惚れである。その癖、夥間(なかま)で評判である。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其レヨリ漸々(ヤウヤウ)、敵味方モ見分ケタリ。後ニテ聞ケバ、柴田方ノ戸波隼人トテ由々(ユユ)シキ豪ノ者ナリシ由ニテ、其時ノ一番槍トモ称(イ)ハレタレ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
抑(そもそも)此集、初(はじめ)ニ雄略舒明両帝ノ民ヲ恵マセ給ヒ、世ノ治マレル事ヲ悦ビ思召ス御歌ヨリ次第ニ載(のせ)テ、今ノ歌ヲ以テ一部ヲ祝ヒテ終(ヲ)ヘタレバ、玉匣(たまくしげ)フタミ相称(カナ)ヘル験(しるし)アリテ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
屋船くゝのちの命・やふねとようけ姫の命と、御名をば称(タヽ)へまつりて……瑞八尺瓊(ミヅヤサカニ)の御吹(ミホキ)の五百(イホ)つ御統(ミスマル)の玉に、明和幣(アカルニギテ)・曜和幣(テルニギテ)をつけて、斎部ノ宿禰某が弱肩(ヨワガタ)に太襁(フトタスキ)とりかけて
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「……三神の名を称(ノ)りて、且重ねて曰はく『吾が名は、向匱(ムカヒツ)男聞襲大歴五御魂速狭騰尊なり』……」
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)