“締”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
49.8%
しま26.9%
しまり8.1%
しめ7.2%
1.3%
1.3%
あき0.9%
あきら0.9%
0.4%
きま0.4%
こと0.4%
しば0.4%
しまっ0.4%
じめ0.4%
0.4%
むす0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だれが、そのあいだにやってきてもあわないつもりで、ぐちかためた。そして、まめふくろからして、熱心ねっしんかぞえはじめました。
幸福の鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
紫玉は我知らず衣紋えもんしまった。……となえかたは相応そぐわぬにもせよ、へたな山水画のなかの隠者めいた老人までが、確か自分を知っている。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのしまりのない口元と目尻の下った目付とは、この女の心の片意地でない証拠と見え、また幅狭い帯の下から隆起した大きなお尻の円味と
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
みそはぎそばには茶碗ちやわんへ一ぱいみづまれた。夕方ゆふがたちかつてから三にん雨戸あまどしめて、のない提灯ちやうちんつて田圃たんぼえて墓地ぼちつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
梶川かじかわ与惣兵衛よそべえだった。大力の人で、すっかり羽掻はがめに、うごきが取れなかった——吉良は、身をゆすぶった。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何も彼も段落が付いてしまったから、千種十次郎は、足の勇をめる勇気もありませんでした。それほど勇は悄気しょげ返って居たのです。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「親分、あきらめた方が無事ですぜ、あれだけさがして見付からないんだから、いよ/\神隱しとでも思はなきア」
宗助は銀金具ぎんかなぐの付いた机の抽出ひきだしを開けてしきりに中をしらべ出したが、別に何も見つけ出さないうちに、はたりとあきらめてしまった。それから硯箱すずりばこふたを取って、手紙を書き始めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
よしやこの身が冷たくなろと息がれよとそなたは他人。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
武は余りビツクリしてなくにもなかれず、これから泣くのも、少くきまりがわるいといふところ
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
と再び呼んでも、なほ返事を為ようとも為ない。これは不思議だと怪んで、急いで傍に行つて見ると、体がぐたりとして水涕みづつぱなを出したまゝ、早既にことが切れて居る。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
そうして、身体は思うようにかない。自分は歯を食いしばって、両手で握った段木を二三度揺り動かした。無論動きゃしない。いっその事、手を離しちまおうかしらん。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
れから私はその前日、三百五十五両の金をそろえて風呂敷に包んで、翌早朝新銭座の木村の屋敷にいって見ると、門がしまっ潜戸くぐりどまで鎖してある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
羽交はがじめにしたまゝ、欄干から引きはがさうとしましたが、この身投男は思ひの外の剛力で、容易に八五郎の手に了へません。
すぐにガラガラと扉をじる。
この事三年を過ぎずしてほぼ弁ぜん。しかる後、往きて加里蒲爾尼亜カリホルニアを問い、以て前年の使に酬い、以て和親の約をむすぶ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)