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締
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しまり
ふりがな文庫
“
締
(
しまり
)” の例文
その
締
(
しまり
)
のない口元と目尻の下った目付とは、この女の心の片意地でない証拠と見え、また幅狭い帯の下から隆起した大きなお尻の円味と
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
小屋は全部外から
鎖
(
とざ
)
した上、入口の——今お六の入つた
締
(
しまり
)
は、闇に馴れないガラツ八の眼ではどうしても搜せなかつたのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お島はその手の入墨を発見したとき、耳の附根まで紅くして、
猥
(
みだら
)
な目を
睜
(
みは
)
った。男はえへらえへらと、
締
(
しまり
)
のない口元に笑った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
室の戸口まで行って横にさした鉄の棒の抜けはせぬかと振り動かして見る。
締
(
しまり
)
は大丈夫である。ウィリアムは丸机に
倚
(
よ
)
って取り出した書付を
徐
(
おもむ
)
ろに開く。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
でも暫くすると、母親が気が
顛動
(
てんどう
)
していたのでという意味の
詫言
(
わびごと
)
をして、
締
(
しまり
)
をはずしたので、人々はやっと屋内に入り、恐ろしい殺人事件が起ったことを知ったのである。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
大藏は
血
(
のり
)
だらけになりました手をお菊の
衣類
(
きもの
)
で拭きながら、
密
(
そっ
)
と庭伝いに来まして、三尺の
締
(
しまり
)
のある所を開けて、密っと廻って林藏という若党のいる部屋へまいりました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
述てぞ歸りける依て九助は本意なく思へ共親孝行の爲とあれば更に
惜
(
をし
)
共せず
頓
(
やが
)
て
門
(
かど
)
の
締
(
しまり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし
締
(
しまり
)
はよさそうゆえ、絵草紙屋の前に立っても、パックリ
開
(
あ
)
くなどという
気遣
(
きづか
)
いは有るまいが、とにかく顋が
尖
(
とが
)
って頬骨が
露
(
あらわ
)
れ、
非道
(
ひど
)
く
癯
(
やつ
)
れている
故
(
せい
)
か顔の造作がとげとげしていて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一
軒
(
けん
)
の
山家
(
やまが
)
の
前
(
まへ
)
へ
来
(
き
)
たのには、
然
(
さ
)
まで
難儀
(
なんぎ
)
は
感
(
かん
)
じなかつた、
夏
(
なつ
)
のことで
戸障子
(
としやうじ
)
の
締
(
しまり
)
もせず、
殊
(
こと
)
に一
軒家
(
けんや
)
、あけ
開
(
ひら
)
いたなり
門
(
もん
)
といふでもない、
突然
(
いきなり
)
破椽
(
やぶれえん
)
になつて
男
(
をとこ
)
が
一人
(
ひとり
)
、
私
(
わし
)
はもう
何
(
なん
)
の
見境
(
みさかひ
)
もなく
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ホツ、ホツと
締
(
しまり
)
の無い笛を鳴らして、自動車が過ぎた。湯村の車が右に避けようとしたその車輪の
際
(
きは
)
どい間をくゞり、重い強い発動器の響を聞かせて、
砂埃
(
ほこり
)
の無い路を太いゴム輪が真直に
向
(
むかう
)
へ
馳
(
は
)
せた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
「千代香じゃないか、丸髷に結ってやがるな。うまくやったなア。」と
締
(
しまり
)
のない、大きな声でわざといけ
粗雑
(
ぞんざい
)
な調子で物を云うのがこの男の癖である。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
見ると、何うして自分の家へ入るつもりか、見當もつかないよ。尤も、こじ開けて家へ入つて見ると、二階の雨戸には
締
(
しまり
)
がなかつた、——お武家でも獨り者は用心が惡いね
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
按
(
おも
)
うに、何者かが書斎に入って、抽斗の鍵で、内側から
締
(
しまり
)
をしてしまったものであろう。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お由が隣へ預けて置いた入口の
締
(
しまり
)
の鍵を持って来て、格子戸を明けましたから、茂二作は内へ入り、お由は其の足で
直
(
すぐ
)
に酒屋へ行って酒を買い、
貧乏徳利
(
びんぼうどくり
)
を袖に隠して戻りますと
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「又
来
(
き
)
ました」と云つた
時
(
とき
)
、三千代は
濡
(
ぬ
)
れた手を
振
(
ふ
)
つて、馳け込む様に勝手から
上
(
あ
)
がつた。同時に
表
(
おもて
)
へ
回
(
まは
)
れと
眼
(
め
)
で合図をした。三千代は自分で
沓脱
(
くつぬぎ
)
へ
下
(
お
)
りて、格子の
締
(
しまり
)
を
外
(
はづ
)
しながら
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一家の
締
(
しまり
)
をしている、四十六七になった、ぶよぶよ肥りの上さんと、一日小まめに体を動かしづめでいる
老爺
(
おじい
)
さんとが、薄暗いその囲炉裏の側に、酒のお
燗番
(
かんばん
)
をしたり、女中の
指図
(
さしず
)
をしたりしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
窓は内部から
締
(
しまり
)
がしてある。しかも、ガラス窓の
外
(
そと
)
には鉄格子が見えている。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「聞きましたよ、——驅け込んで來て、突き當りの其月堂さんの木戸をこぢ開けようとして居た樣子でしたが、内外から
締
(
しまり
)
がしてあるもんですから、寺の塀へ飛付いて、境内へ逃げ込んだやうです」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手捷
(
てばし
)
こくそこらを掃除したり、朝飯の支度に気を配ったりしたが、
寝恍
(
ねぼ
)
けた様な
締
(
しまり
)
のない笑顔をして、女が起出して来る頃には、職人たちはみんな
食膳
(
しょくぜん
)
を離れて、奥の工場で彼女の
噂
(
うわさ
)
などをしながら
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
三千代は自分で
沓脱
(
くつぬぎ
)
へ下りて、格子の
締
(
しまり
)
を外しながら
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「聞きましたよ、——駆け込んで来て、突き当りの其月堂さんの木戸をこじ開けようとしていた様子でしたが、内外から
締
(
しまり
)
がしてあるもんですから、寺の塀へ飛付いて、境内へ逃げ込んだようです」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
締
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“締”を含む語句
取締
羽掻締
戸締
元締
引締
締切
噛締
音締
羽交締
締括
締直
不取締
胴締
牛蒡締
大元締
喰締
締緒
緒締
締木
下締
...