“貧乏徳利”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びんぼうどくり45.5%
びんぼうどっくり18.2%
びんぼふどくり9.1%
びんばふどくり9.1%
びんばふどつくり9.1%
びんぼうとくり9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泰軒は軽く言って、ひざもとにひきつけた貧乏徳利びんぼうどくりを手にとりあげ仰向いてグビリグビリ、燃料を補給しだした。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
貧乏徳利びんぼうどっくりがいつも台どころにころがっているだけで、きょうを読む声さえ、通りがかりの誰もが聴いたことがないというのだから、いずれ、破戒無慚はかいむざんの悪僧とはわかっていたが、さりとて
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
まさか、壺皿つぼざらはなかつたが、驚破すはことだと、貧乏徳利びんぼふどくり羽織はおりしたかくすのがある、誂子てうしまた引挾ひつぱさんで膝小僧ひざこぞうをおさへるのがある、なべ盃洗はいせんみづ打込ぶちこむのがある。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
野道に入つてからは、車に行き逢ふことはなくて、村役場の吏員りゐんらしい男や貧乏徳利びんばふどくりげて酒を買ひに行くらしい女や、草刈童くさかりわらべや、そんなものに時々逢つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
お關と幾松の樣子が變なので、多勢の子分に見張らせてゐた元町の仙太は、お關が貧乏徳利びんばふどつくりの酒を川に捨てるところを見付けて、有無を言はせず、母子を縛つて番屋へ引立てて了つたといふのです。
或日、老僕ろうぼく、先生の家に至りしに、二三の来客らいかくありて、座敷ざしきの真中に摺鉢すりばちいわしのぬたをり、かたわらに貧乏徳利びんぼうとくり二ツ三ツありたりとて、おおいにその真率しんそつに驚き、帰りて家人かじんげたることあり。