貧乏徳利びんぼうどくり)” の例文
泰軒は軽く言って、ひざもとにひきつけた貧乏徳利びんぼうどくりを手にとりあげ仰向いてグビリグビリ、燃料を補給しだした。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
磯崎という浪士が、寝ころんでいた自分の枕許まくらもとで見つけ出したのが貧乏徳利びんぼうどくりであります。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お由が隣へ預けて置いた入口のしまりの鍵を持って来て、格子戸を明けましたから、茂二作は内へ入り、お由は其の足ですぐに酒屋へ行って酒を買い、貧乏徳利びんぼうどくりを袖に隠して戻りますと
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あいも変わらぬ天下御免ごめんの乞食姿、六尺近い体躯に貧乏徳利びんぼうどくりをぶらさげて、大髻おおたぶさわらで束ねたいでたちのまま。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
例によって貧乏徳利びんぼうどくりを片手に、泰軒は歩調をゆるめて振りかえる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
泰軒先生にはつきものの例の貧乏徳利びんぼうどくりだ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)