“側”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そば55.1%
わき12.8%
がわ7.9%
はた4.7%
かたわら4.0%
がは3.0%
かたわ2.8%
かわ2.3%
かたはら1.2%
かは1.1%
かたへ0.6%
そばだ0.6%
かたは0.5%
きは0.4%
サイド0.4%
かたえ0.2%
ばた0.2%
かた0.2%
ソバ0.2%
おそば0.1%
かたばら0.1%
そばた0.1%
そび0.1%
ぞな0.1%
なか0.1%
ひら0.1%
ふち0.1%
べり0.1%
ほと0.1%
ほとり0.1%
0.1%
カタワラ0.1%
ガハ0.1%
サイズ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広瀬からや爪先上りの赤土道を、七、八町も行くと、原中に一本の大きな水楢みずならか何かの闊葉樹が生えているそばで路が二つに岐れる。
叔父の家は広い植木屋の地内で、金目垣かなめがき一つ隔てて、じかにその道路へ接したような位置にある。垣根のわきには、細い乾いたみぞがある。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
糟谷かすや西洋葉巻せいようはまきを口からはなさないのと、へたの横好よこずきにを打つくらいが道楽どうらくであるから、老人側ろうじんがわにも若い人のがわにもほめられる。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
『どうしてまあ兄弟喧嘩きやうだいげんくわを為るんだねえ。』と細君は怒つて、『左様さうお前達にはたで騒がれると、母さんは最早もう気がちがひさうに成る。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
もと嶺松寺には戴曼公たいまんこう表石ひょうせきがあって、瑞仙はそのかたわらに葬られたというのである。向島にいたわたくしも嶺松寺という寺は知らなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「まあ、大概たいがいのことはわかつてゐるつもりですが、貴女あなたがはからなら、大久保おほくぼ生活せいくわつがいつそくはしくわかつてゐるはずぢやないですか。」
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
大江山警部は、帆村の力を借りたい心と、まだ燃えのこる敵愾心てきがいしんとにはさまって、例の「ううむ」をうなった。そのときかたわらに声があった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
帰りは、みきを並べたとちの木の、星を指す偉大なる円柱まるばしらに似たのを廻り廻つて、山際やまぎわに添つて、反対のかわを鍵屋の前に戻つたのである。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ばあさんが古手桶ふるておけを下げて出て参り升て、私どもの腰かけてるかたはらの小川の中へ手桶ておけを浸し、半分ほどはいつた水を重気にもちあげ升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
たゞこの溪の上にのみ碎けてこれを蔽はざるなり、汝等かはによこたはり底に高まる崩壞くづれを踏みて上りうべし 一三六—一三八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
にぎり向ふをきつと見詰たる手先にさは箸箱はしばこをばつかみながらに忌々いま/\しいと怒りの餘り打氣うつきもなくかたへ茫然ぼんやりすわりゐて獨言をば聞ゐたる和吉の天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
春恋し、春恋しとさえずる鳥の数々に、耳そばだてて隠れの翼の色を見んと思えば、窓に向わずして壁に切り込む鏡に向う。あざやかに写る羽の色に日の色さえもそのままである。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「渠が旅行に出る度毎に女を拵らへて來ないことはない」とあるかたはらに、誰れかのいたづらで
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
暇乞いとまごひして戸口を出づれば、勝手元の垣のきは二十歳はたちかと見ゆる物馴顔ものなれがほの婢のてりしが、うしろさまに帯㕞おびかひつくろひつつ道知辺みちしるべす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ましらのように為吉は高いサイドじ登って、料理場ギャレイの前の倉庫口ハッチウェイから側炭庫サイドバンカアへ逃げ込んだ。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
帝のかたえには黄子澄こうしちょう斉泰せいたいあり、諸藩を削奪さくだつするの意、いかでこれ無くしてまん。燕王えんおうかたえには僧道衍どうえん袁珙えんこうあり、秘謀を醞醸うんじょうするの事、いかでこれ無くして已まん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
村井長庵の邸から往来ばたへ下り立ったが、云うまでもなく十兵衛で、小田原提燈を手にさげて、品川の方へ歩いて行く。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ラヴィニアかく言いて、家の入口の扉に背を向けていると、或る目に見えぬ手、帷幔を音無く、しかし力烈しくかたえに引く。
船室へ乗りあひの衆がおりて行つて後も、前後四時間かうして無言に青空ばかり仰いでゐる私のソバに、海の面きり眺めてゐた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼女のおそばに行きますは、いと世話好きな先生達
二匹の犬ははじめより耳そばたてて、阿駒おこまが語る由を聞きしが。黄金丸はまづ嗟嘆さたんして
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
よね そるばツてん、昨夜ゆうべあるから、ここで寝てしもうなんのて、おまいも、よつぽど、呑気かね。おらあ、今朝、眼ん覚めつ時、そびあ、お前が寝とるもんだるけん、びつくりしたツばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
二番ぞなえ池田勝三郎も丹波守の猛威に討靡うちなびけられて敗走した。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
お庄はそのなかへ割り込んで行くことも出来なかったが、そのままそこを出る気にもなれなかった。幾度も声をかけようとしたが、咽喉のどかわきついているようで、声も出なかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
南に面したよくかわくひら小麦藁こむぎわら日陰ひかげになるほうはかやとか、ていの字形の屋根の谷になる部分には木や瓦を当てるとか、場所によって使うものをちがえ、または始めから材料を混合して
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すると森本は倦怠だるそうに浴槽のふち両肱りょうひじを置いてその上に額をせながら俯伏うっぷしになったまま
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「新嘉坡の一夜」の主人公上月は、長い間の航海に、青空と青海に圍まれて塵埃を浴びず、帆綱に鳴る潮風と船べりを打つ波の音を聽く丈で、濁つた雜音には遠ざかつてゐた。
「吾入仏教欲剃髪。」〔吾ハ仏教ニ入リテ剃髪セント欲ス〕また「吾卜終焉叡山側。」〔吾ハ終焉ヲぼくス叡山ノほとリ〕の如き語をなすようになった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
吾等われら三人みたりまつたはなれて、ずつと船首せんしゆ海圖室かいづしつほとりせた。
き目もふらず、杖をふるって路を刻みつけながら、その雪の幅は、一町あまりもあったろう、縦板のように走ったクーロアールの真ン中を、かれこれ中ほどまではとっついたろう。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
佻易チョウイニシテ威ナク、音楽ヲ好ミ、倡優ショウユウカタワラに在リ、被服軽絹ケイケン、常ニ手巾シュキン細物サイブツヲ入レタル小嚢コブクロヲ懸ケ、人ト語ルニハ戯弄ギロウ多ク、ヨロコンデ大笑スルトキハ、頭ヲツクエニ没スルマデニ至リ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かう見れば、尠くとも実朝のガハだけは、あまり浅までなく、迫つて来る死を知つて居たと言ふことに対しての弁解はつきます。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
東西南北は、思想のサイズのみ、思想の城郭にあらざるなり、思想の最極は円環なり。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)