“挿”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
48.4%
はさ33.1%
5.6%
さしはさ3.6%
かざ1.6%
さし1.6%
1.2%
かざし0.8%
ささ0.8%
さしは0.8%
(他:6)2.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“挿”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.8%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
時はちょうど五月の初めで、おきよさんという十五、六の娘が、菖蒲しょうぶ花瓶かびんしていたのを記憶している。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「佐殿。お目なぐさみにと、馬洗い池のそばに咲いていたのを、一枝、たずさえて帰りました。どこぞへして置かれませ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七兵衛は行燈あんどんの下で麻をしごいて、それを足の指の間へはさんで小器用に細引ほそびきこしらえながら、
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
う云って父は一息いた。市郎も余りに奇怪なる物語に気を呑まれて、何ともことばはさむ勇気が無かった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
石舟斎は、さらさらと茶人らしい簡単な手紙を書き、それを、先刻、壺へけた芍薬しゃくやくの残りの一枝へ、結び文にして、
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仁斎は、床の一じくを見て云った。へいには黄菊がけてある。墨の香と菊の香とが、薫々くんくんと和していた。
成島柳北なるしまりゅうほくが仮名まじりの文体をそのままに模倣したり剽窃ひょうせつしたりした間々あいだあいだに漢詩の七言しちごん絶句をさしはさ
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは自分の遊の取巻供を名所に見立てたもので、北渓の画がさしはさんであった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かざしにした紅葉が風のために葉数の少なくなったのを見て、左大将がそばへ寄って庭前の菊を折ってさし変えた。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
くやしくもかざしけるかな名のみして人だのめなる草葉ばかりを
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
をんなさしかんざしほどもかないで、温泉宿をんせんやどとまつた翌日よくじつ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
強い、しどい、刺戟しげきのある臭気を、香をき、鼻の穴へ香水をつけた綿をさして私が世話をすると、その時だけ意識が分明はっきりして、他の者には近よらせなかった。
もっとも相手の夫婦づれは、格別迷惑らしい容子ようすもなく、一輪いちりんしの桜を隔てながら、大阪弁でしきり饒舌しゃべっていた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
中川君、それではね、食卓を飾るのに西洋風の粗雑なつかしの花を用いずとも我邦わがくにには古来より練習した活花いけばなの特技があるでないか。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一廻りななめに見上げた、尾花おばなを分けて、稲の真日南まひなたへ——スッと低く飛んだ、赤蜻蛉あかとんぼを、かざしにして、小さな女のが、——また二人。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
源氏の紅葉賀もみじのが青海波せいがいはの巧妙であったことを忘れがたく思召おぼしめして、東宮が源氏へかざしの花を下賜あそばして、ぜひこの舞に加わるようにと切望あそばされた。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
おくれ毛を、掛けたばかりで、櫛もきちんとささっていましたが、背負しょい上げの結び目が、まだなまなまと血のように片端さがって、踏みしめてすそかばった上前の片褄かたづまが、ずるずると地をいている。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飯に砂利をんだようにあろう、と思うたじゃでの、棄てるも勿体なし……誰方どなたぞ参詣の折には、手向の花をさされてもいと思うて、石塔の前に据置きましたじゃ。さ、さ、回向えこうをなされ。いずれも久しい馴染なじみじゃな。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渠には、それが却つて意外の疑念をさしはさむ餘地を與へたので、ひそかに女の方の容態を確かめる爲め、或日、身づから病院の婦人科へ出かけた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
理を推し情を尋ねて云う言葉、一々に順序あり脈絡あり、そうでなしと争う可き余地もない程に述べ来るは全く熱心のほとばしりて知らず知らず茲に至る者と見える、余は唯聞き惚れて一言をもさしはさまぬ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
亨一は此話の間に屡々くちばしさまうとしたがやつと女の詞の句切れを見出した。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
「公債は今幾何いくらなの?」とくちばしさんでみれば、さて我ながら唐突千万! 無理では無いが、昇も、母親も、きもつぶして顔を視合みあわせて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女はどうしたものか、夜中に開かれた表向きの窓から、半身をさかさに外へのり出し、丁度ちょうど窓と電気看板との間にはさまって死んでいた。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大江山警部は、帆村の力を借りたい心と、まだ燃えのこる敵愾心てきがいしんとにはさまって、例の「ううむ」をうなった。そのときかたわらに声があった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「でも、私が、お前が螢をつかまへるやうにお前をつかまへてしまツたらうする。」
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
梅花ヲヲリカシラ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)