かざ)” の例文
旧字:
藤の花をかざし、直衣の色やくつまでもおそろいで、華々と列をつくり、祝う館の玄関へ来て、賀詞を呈し、賀を唱歌して、ひきあげてゆく。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軒軒にかざし、さては花火どんどろをあげ、はるか、宙の乳街あまのかはを祝ふ異風の祭の中にたたづんでゐた。
仙台の夏 (新字旧仮名) / 石川善助(著)
かざしにした紅葉が風のために葉数の少なくなったのを見て、左大将がそばへ寄って庭前の菊を折ってさし変えた。日暮れ前になってさっと時雨しぐれがした。空もこの絶妙な舞い手に心を動かされたように。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
かざして祝はん。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
くやしくもかざしけるかな名のみして人だのめなる草葉ばかりを
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さくらかざして今日も暮らしつ
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)