“挿頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かざし53.8%
かざ23.1%
かんざし15.4%
カザ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
挿頭かざしの台はじん紫檀したんの最上品が用いられ、飾りの金属も持ち色をいろいろに使い分けてある上品な、そして派手はでなものであった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
いまだ額に波は寄らねども、束髪に挿頭かざせる花もあらなくに、青葉もすぎ年齢とし四十に近かるべし。小紋縮緬ちりめん襲着かさねぎに白襟の衣紋えもん正しく、ひざあたりに手を置きて、少しく反身そりみすがたなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言うより身震みぶるいせしが、俯伏うつむけにゆらめく挿頭かんざし、真白きうなじ、手と手の間を抜けつ、くぐりつ、前髪ばらりとこぼれたるがけざまに倒れかかれる、もすそ蹴返しかかとを空に、下着のくれない宙を飛びて
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此山籠りの帰りに、処女たちは、山の躑躅を、頭に挿頭カザして来る。此が田の神に奉仕する女だと言ふシルシである。そして此からまた厳重な物忌みの生活が始まるのである。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)