“挿絵”のいろいろな読み方と例文
旧字:插繪
読み方割合
さしえ91.4%
さしゑ8.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
草双紙の挿絵さしえを例にとって言えば、『金花七変化』の鍋島猫騒動なべしまねこそうどうの小森半之丞に、トンビ合羽がっぱを着せたり、靴をはかせたりしている。
明治十年前後 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
と、一首ものしたように、それには挿絵さしえに、渡辺省亭わたなべせいていの日本画の裸体が、類のないことだったので、アッといわせもしたのだった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
武内たけのうちつたのは、新著百種しんちよひやくしゆ挿絵さしゑたのみに行つたのがゑんで、ひど懇意こんいつてしまつたが、其始そのはじめより人物にれたので
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あゝ、薄命はくめいなあの恋人達はこんな気味きみのわるい湿地しつちまちに住んでゐたのか。見れば物語の挿絵さしゑに似た竹垣たけがきの家もある。垣根かきねの竹はれきつて根元ねもとは虫にはれて押せばたふれさうに思はれる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)