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さしゑ
武内と
識つたのは、
新著百種の
挿絵を
頼みに行つたのが
縁で、
酷く
懇意に
成つて
了つたが、
其始は
画より人物に
惚れたので
あゝ、
薄命なあの恋人達はこんな
気味のわるい
湿地の
街に住んでゐたのか。見れば物語の
挿絵に似た
竹垣の家もある。
垣根の竹は
枯れきつて
其の
根元は虫に
喰はれて押せば
倒れさうに思はれる。
而して
挿絵は
桂舟が
担当するなど、
前々の紙上から見ると
頗る
異色を帯びて
居ました、
故に
之を
第六
期と
為る、
我楽多文庫の
生命は
第六
期で
又姑く
絶滅したのです
十六
頁でしたか、
定価が三
銭、小説の
挿絵を二
面入れました、
之より
先四六
版時代に
今一人画家が
加りました、
横浜の
商館番頭で
夢のやうつゝと
云ふ名、
実名は
忘れましたが