“銭”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ぜに53.9%
あし20.5%
せん16.2%
かね3.1%
おあし1.9%
ぜぜ1.4%
ぜんこ0.5%
ぜゝ0.5%
もん0.5%
せね0.2%
ぜんぜ0.2%
ちゃん0.2%
0.2%
ゲルト0.2%
ゼニ0.2%
メース0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
えたにても非人にても、生計の道にありつきたるは実に図らざりしことにして、偶然に我が所得の芸能をもってぜにを得たるものなり。
夢中で二三げんけ出すとね、ちゃらんと音がしたので、またハッと思いましたよ。おあしを落したのが先方さきへ聞えやしまいかと思って。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
孝二こうじは、二十せんそうとってきたのを、小泉こいずみ二人ふたりぶんにしてしました。これで、小泉こいずみもこの遊戯ゆうぎくわわることができたのです。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
喜久井町きくいちょうにかえると、老母ばあさんは、膳立ぜんだてをして六畳の机の前に運んで来た。私はそれを食べながら、かねの工面をして、出かけようとすると
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
おれ酒屋さかや小僧こぞうなんかになるのはいやだからうちかえってきた。おあしがちっともないから鉄道線路てつどうせんろあるいてきたよ。」
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
おなごほど詰らんもんおへんな、ちょっとええ目させてもろたとおもたら十九年の辛棒や。阿呆あほらし! なんぼぜぜくれはってももう御免どす」
高台寺 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
長い間の無理な仕事で、小作の板のようになった腰が、今度はズキズキとんだ。母親は由三にぜんこをくれると云っては、嫌がる由三をだまして腰をもませた。——夜は静かだった。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
茂「こゝにおぜゝが有るからお前に遣る、もう私は要らないから是だけ悉皆すっかりお前に遣るから、これをお父さんの形見だと思って、これでお母さんに何か買って貰いな」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
汽車の中でねむるにもその上へ白髪しらがの額を押当てて頂いた、勿体ない、鼠穴のある古葛籠ふるつづらを、仏壇のない押入の上段うわだんに据えて、上へ、お仏像と先祖代々の位牌いはいを飾って、今朝も手向けた一もん蝋燭ろうそく
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女「毎日めえにちなんかえりも行ったり来たりして居りやすから、もうが極ってるでがす、六十五せねでがんす」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
下等民も御多聞にれずといってちゃんはなし兎の皮を用いたので、ロンドン界隈かいわいは夥しく兎畜養場が立ったという(サウシ『随得手録コンモンプレース・ブック』一および二)
『申し難いが、こまかいをすこし、お持ち合せはないか。実はかくの通り、単衣ひとえまで質に入れてしまったので、金策に出られぬ始末』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おまけに『あんたはもうずっと前からゲルトも払わないじゃないか』とやり返した。
一、金 三十メース 灰 一俵
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)