“もん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モン
語句割合
43.3%
21.4%
17.0%
8.4%
3.6%
1.0%
1.0%
0.5%
0.5%
人間0.3%
品物0.3%
郭門0.3%
一文0.3%
0.3%
家紋0.3%
0.3%
柴門0.3%
百二十文0.3%
0.3%
財産0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元気げんきこえをのこして、ていきました。おじいさんとおばあさんは、もんそとって、いつまでも、いつまでも見送みおくっていました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
彼と我れとの相違は、いわば十露盤そろばんけたが違っているだけで、喜助のありがたがる二百もんに相当する貯蓄だに、こっちはないのである。
高瀬舟 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私たちの若い時は羽織のもんが一つしきゃないのを着て通人つうじんとか何とかいって喜んでいた。それが近頃は五つ紋をつけるようになった。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それに余程よつぽどの気紛れもんでね。稼ぎ出すと鼻唄をやり乍ら滅法稼いでるが、怠け出したら一日主婦おかみに怒鳴られ通しでも平気なもんだ。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お話しでないもんだから此方こっちはそんな事とは夢にも知らず、お弁当のおかずも毎日おんなじもんばッかりでもおきだろう
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
もんでゐた所ろ今方いまがたやすみなされたのでやう/\出てまゐりましたと云つゝ上りて火鉢ひばちそば身をひつたりと摺寄すりよせすわれば庄兵衞魂魄たましひも飛してうつゝ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
灸所きゅうしょを刺せば、猛獣は叫ぶ。わが非を知れば、人は怒る。武男が母は、これがためにおさえ難き怒りはなおさらにもんを加えて、いよいよ武男の怒るべく、浪子のにくむべきを覚えしなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
このあたりも、一もん、一たふこと/″\く口合式パンニングしき警句けいくにして、到底たうてい原語通げんごどほりにはやくしがたきゆゑ、義譯ぎやくとす。)
弥次郎、いかさま、安い方がいい、蕎麦でいくらだ。女、はい、お蕎麦なら百十六もんでござんさあ。二人は旅銀の乏しさに、そんならそうときめて泊まって、湯から上がると、その約束の蕎麦が出る。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他国たび人間もんと思って軽蔑するか。一人と思うて侮るか。サア鰤をば返せ。返されんチ云うなら二人とも警察まで来い。サア来い」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「イヤ。悪かった悪かった。冗談云うて悪かった。博多の人間もんなら仁輪加で笑うて片付くが、他国たびの人なら腹の立つのも無理はない。悪かった悪かった。ウチまで来なさい。返済まどうてやるけに。ナア。この通り謝罪ことわり云うけに……」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
親爺とっさん、悪い事は云わん。この鰤は腐っとるばい。こげな品物もんば下げておくと、喰うたお客の頭の毛が抜けるばい」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『馬鹿共が。又三人も死んでケツカル。ほかに喰う品物もんが無いじゃあるまいし』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
昔、戦国の世の時代に、養う食客三千人と、世上の人にうたわれた、春申君と申す人の、長く保った城である。城には七つの郭門もんがある。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
郭門もんは城内の旧市街にいずれも通じているのであって、道台衙門のある所はすなわち東大門内である。知県衙門のあるところは小東門内の中央である。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
といって、お糸さんに迷ってから、散々無理を仕尽した今日此頃、もう一文もん融通ゆうずうの余地もなく、又余裕もない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
もんでもありさえすりゃ、中汲なかくみだろうが、焼酎しょうちゅうだろうが、徳利の口へ杉箸すぎばし突込つっこんで、ぐらぐらえ立たせた、ピンと来て、脳天へみます、そのね、私等わっしらで御覧なさい、においいだばかりで
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三ところ家紋もんのついている肩衣かたぎぬをもってきて藤木さんの肩にかけて見た。
らぬ世間せけん惡評あくひやうもうけず、かはりの年禮ねんれいすこしのらうをもたすくるはづを、六十にちかおやきをするはばちあたりできか、子供こどもときにはもんすこしものぞいたやつ何故なぜこれがわかりをらぬ、さあ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鳴子なるこが鳴っている。柴門もんの鳴子ががたがた鳴っている。たれか来たのだろう。開けてやれ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と隠居は財布のヒモをほどいて、定めのお初穂はつほ百二十文もん敬々うやうやしく差上げて立ち帰りました。ところが待てど暮らせど失せ物は現れません。
父君は、家の内に道場を構へて居たが、簾越しにも聴もんは許されなかつた。御経おんきやうもんは手写しても、固より意趣は訣らなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「番をしてたよ。どうせ、出てけ——を喰わされるようじゃ、だいじな財産もんだろう。さあ、たしかにお渡ししたよ」
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
糶呉服せりごふくりたのさへかへさない……にもかゝはらず、しやちたいして、もんなしでは、初松魚はつがつを……とまでもかないでも、夕河岸ゆふがし小鰺こあぢかほたない、とかうさへへば「あいよ。」とふ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
太玄たいげんもんおのずからひらけて、このはなやかなる姿を、幽冥ゆうめいに吸い込まんとするとき、余はこう感じた。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)