“ふみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フミ
語句割合
58.8%
18.1%
7.7%
2.3%
艶書1.9%
不味1.2%
手紙1.2%
玉章1.2%
0.8%
文書0.8%
(他:16)6.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ギニヴィアはつと石階をくだりて、乱るる百合の花の中より、エレーンの右の手に握るふみを取り上げて何事と封を切る。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日ごろ親しき友にふみかんもや、行田へ行かんもいとふにはあらねどまたものうく、かくて絵もかけず詩も出でず
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
さらずば一の肉體があぶらと肉とをわかつごとく、この物もまたそのふみの中にかさぬる紙を異にせむ 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
汝等の王達の汚辱をすべてしるしゝふみの開かるゝを見る時、ペルシアびと彼等に何をかいふをえざらむ 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
姫はもう死に物狂いになって、蛙たちの頭をふみつけて表に飛び出しましたが、門のところまで来ると又驚きました。
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
これはらぬと力足ちからあしふみこたゆる途端とたん、さのみにおもはざりし前鼻緒まへはなをのずる/\とけて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
八五郎もハツとしました。平次は覺束ない足をふみ締めて、自分の外した障子を一生懸命元の敷居へはめ込んで居るのです。
と蹴出しの浅黄をふみくぐみ、そのくれないさばきながら、ずるずると着衣きものを曳いて、
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ心外なるはこの上かの艶書ふみの一条もし浪子より中将に武男に漏れなば大事の便宜たよりを失う恐れあり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
けれども、男のはだは知らない処女の、艶書ふみを書くより恥かしくって、人目を避くる苦労にせたが、やまいこうじて、夜も昼もぼんやりして来た。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さぞ不味ふみにおあじわいになったことも多かったろう、当年の疳癪など、芸術家としての疳癪で、むしろ
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「サイダー」は甘味があり粘りがあって極めて不味ふみだ、かかる時は冷き清水に越すものはない、自然は山人に「サイダー」にもまさる清水を、惜気もなく与えているのである。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
先だっても柳沢の言っていたことに、真野まのがある女にやった手紙ふみを水野がその女から取り上げて人に見せていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
これでみると、左膳のやつ、さっそく萩乃のところへ、手紙ふみをやろうとしているらしい。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……同じ事を、絶えず休まずに繰返して、この玩弄物おもちゃを売るのであるが、玉章ふみもなし口上もなしで、ツンとしたように黙っているので。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だつて、なん企謀たくらみあそばすんではなし、ぬしのあるかただとつて、たゞ夜半よなかしのんでおひなさいます、のあの、垣根かきね隙間すきまそつとおらせだけの玉章ふみなんですわ。——あゝ、此處こゝでしたよ。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だが、そうした真の牢人は、蒼海そうかいたまのように少ないともよく嘆かれておった。しかしまた、かつてのふみけみすれば、国難の大事に当って、私心なく、身を救国の捨て草にした無名の牢人は、どれほどあるか知れぬ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高光る 日嗣ひつぎ皇子みこ 厩戸うまやどの ひじりおほぎみ けはし世に れましまして はらからと たのおみらが 由々しくも 惑へるなかに いかさまに 嘆きませるか かしこくも 斑鳩の里 うち日さす 宮居みやいさだめて 飛ぶ鳥の 明日香あすかのみ代ゆ あかつきの 道うちひらくと 夢殿に ひとりこもらせ 夕されば のりのきはみを 明けくれば 国のかためを 身もあらに 瞑想おもひこらしつ 天皇すめらぎの まさきせと おみなべて 和ぐ日をや 民なべて らふ時をや いつくしく 祈りたまへる 憲法のりみれば 尊きろかも ふみよめば 涙しながる すべなきは 世のうつろひや われはも しのびまつりて 青によし 奈良山を越え 千年ちとせる 宮居が址に なづさへば ひのことごと よろづ代に らすごと 仄暗ほのくらの 高どのぬちに くすしくも 光りいませる 救世くせのみほとけ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
のぼりの瞼しさきだ(こは文書ふみ樽板たるいたの安全なりし世に造られき)に破らる 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「友造どの、そなたに宛てて別嬪べっぴんから文書ふみが来ているよ」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
古來こらい典籍ふみひもときて
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
(高松のお藤さん)(長江のお園さん、おみつさん)医師いしゃの娘が三人揃って、(百合さん)(婦美ふみさん)(皐月さつきさん)歯を染めたのでは
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
覚えているが宜い、もとこれ妖蛇ようじゃ婦人に変ず、西湖せいこ岸上がんじょう婦身ふみを売る、なんじよく重きにって他計たけい
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
梅の異名いみょうを好文木と申せば、若殿紋之丞様の事ではないかと存じます、お秋の方のお腹の菊之助様をお世嗣よとりに仕ようと申す計策たくみではないかと存ずる、其の際此の密書ふみを中ば引裂ひっさいて逃げましたところの松蔭大藏の下人げにん有助と申す者が
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「これをね」とお色は恋文ふみを出した。「いつもの方の所へね。……これが駕籠賃、これが使い賃、これが向こうのお屋敷の、若党さんへの心付け」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「恋しい恋しい」という文字や「嬉しい嬉しい」という文字も、目茶目茶に恋文ふみへ書き込んだ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
文面ふみ御座ござります、またまゝむすめ紛紜もめでもおこりましたのか、せまひとなれば何事なにごとくちには得言えいはで
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千葉より帰りて五日の後 M., Shigis ——の書信ふみは又きたりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
小さき夢想家であり、美の探求者たんきゅうしゃであるわたしは、古今の美女のおもばせを慕ってもろもろの書史ふみから、語草かたりぐさから、途上の邂逅かいこうからまで、かずかずの女人をさがしいだし、そのひとたちの生涯の片影へんえいしるしとどめ、折にふれて世の人に、紹介することを忘れなかった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
夕暮ゆふぐれ店先みせさき郵便脚夫いうびんきやくふ投込なげこんできし女文字をんなもじ書状ふみ一通いつゝう
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「江戸への帰途。……紀州沖で……富士山艦で、書面ふみしたため……」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
真金まがね吹く吉備きびの海に、朝なぎに来依きよ深海松ふかみる、夕なぎに来依る○みる、深みるのよせてし君、○みるのよせて来し君、いかなれや国へかへらす、ちゝのみの父を思へか、いとこやのいもを思へか、つるぎ太刀たち腰に取佩とりはき、いにしえふみにぎり、国へかへらす
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「でなくてさえ、曹家の才華は植弟君にある、植弟君が口を開けば、声はふみをなし、咳唾がいだは珠を成すなどと、みな云っています。恐れながら、その衆評はみな暗に兄君たるあなたの才徳をくろうするものではありませんか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わがいほふみよむ窓につるの来て
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
はてなきものこひなりとかや、さとしはじめての艷書ふみこヽろをいためて、萬一もしりもせばつみれのみならず
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もとより蓮葉はすはならぬ令孃ひめの、こと庭男にはをとこなどにはずなければ、最初はじめより艷書ふみりては
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
文武の道のみは容易に捨てず、学ぶ傍子供を集めて、古えの名賢の言行などを、読み聞かせ居る次第にござりますが、「童子教」という、古来よりの著書ふみ、覚え易く又教え易き為、子供に読ましめ居ります所、内容余りに僧家の事のみ多く、且
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それでも有繋さすがもりはあたりを威壓ゐあつしてよるになるとこと聳然すつくりとしてちひさなおしないへべたへふみつけられたやうにえた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)