“玉章”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たまずさ55.6%
たまづさ25.9%
ふみ11.1%
たまづき3.7%
てがみ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、重科を赦免せられない俊寛には、一通の玉章たまずさをさえ受くることが許されていなかった。俊寛は、砂を噛み、土を掻きむしりながら、泣いた。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かげから、すらりとむかうへ、くまなき白銀しろがねに、ゆきのやうなはしが、瑠璃色るりいろながれうへを、あたかつき投掛なげかけたなが玉章たまづさ風情ふぜいかゝる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……同じ事を、絶えず休まずに繰返して、この玩弄物おもちゃを売るのであるが、玉章ふみもなし口上もなしで、ツンとしたように黙っているので。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
〽せめて恨みて玉章たまづきと、薄墨に書く雁の文字、女子の念も通し矢の、屈いて今は張り弱く、いつか二人が仲の町に、しつぽりぬるる夜の雨……
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
夜は十二時、一時になつても奧のお座敷からお父さまお母さまの密々話ひそ/\ばなしの聲が洩れ聞えます。お兄さまも時にはお父さまに優しい慰めのお玉章てがみ差上て下さい。切なわたくしのお願ひです。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)