“玩弄物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもちゃ40.5%
がんろうぶつ32.4%
おもちや8.1%
もてあそびもの8.1%
なぐさみもの5.4%
ぐわんろうぶつ2.7%
もてあそび2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……同じ事を、絶えず休まずに繰返して、この玩弄物おもちゃを売るのであるが、玉章ふみもなし口上もなしで、ツンとしたように黙っているので。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
氏によれば仏教美術も万葉の歌も少数知識階級の玩弄物がんろうぶつであって、「一般民衆の心と関係あるものではない。」果たしてそうであろうか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
昨年のクリスマスにも機械の破損せし懐中時計を子供の玩弄物おもちやに致すやうにと贈り遣りしことあるものなるに、昨日さくじつ門口にて出逢ひし時、可笑をかしさをこらへ居る如き顔付きを致し候。
多くの人の玩弄物もてあそびものになると同時に、多くの人を弄んで、浮きつ沈みつ定めなき不徳と淫蕩いんとうの生涯の、そのはてがこの河添いの妾宅に余生を送る事になったのである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もとより玩弄物なぐさみものにする気で飼ったのでないから、厭な犬だと言われる程、尚可愛かわゆい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
侠は愛と其わだちならべつゝ、自から優美高讃なる趣致を呈せり、我が平民社界に起りしシバルリイは、其ゼントルマンシップに於て既に女性を遊戯的玩弄物ぐわんろうぶつになし了りたれば
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)