“おもちや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
玩具75.2%
玩弄4.6%
翫具2.8%
玩弄品2.8%
玩弄物2.8%
弄玩品1.8%
手遊1.8%
玩器1.8%
翫弄1.8%
手遊品0.9%
弄品0.9%
弄物0.9%
玩弄具0.9%
玩物0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供が軽快に遊戯するめの服装で無く、母親が子供を自分の玩具おもちやにしたり他人に見せ附けたりする為にこてこてと着飾らせるのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
實は田舍に母親もありますし、その方の世話もしなければなりませんから、矢張やつぱり私はお金で買はれた玩弄おもちやになつて、花が咲かうが、花が散らうが、目をつぶつて暮しませう。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
先づ今宵は大路トレドまで出でゝ、面白く時を過さん。世の中は驅足かけあしして行く如し。而して人々のおのが荷を負ひたり。鉛の重さなるもあり。翫具おもちやと一般なるもあり。
尻振りざまのをかしさよ、そのペタル縮まりて玩弄品おもちやのごとく
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「今のお若い婦人方は大抵男子の玩弄物おもちやになつて満足してゐるんだから困る。」
或は管絃楽オオケストラの高き調にゆき、銀笛を吹き、道化た面して弄玩品おもちやの鉄琴をもうちたたけ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たれらぬので、ひさしあひだ雨曝あまざらしぢや。船頭せんどうふね退屈たいくつをしたところまたこれが張合はりあひで、わし手遊おもちやこさへられます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小供はセルロイドの玩器おもちやを持つ、年寄は楽焼の玩器を持つ、と小学読本に書いて置いても差支無い位だ。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
晴代を世話するのもさう云ふ社会の一つの外見みえで、衣裳いしやうや持物や小遣ひには不自由を感じないながらに、異性の愛情らしいものがなく、何か翫弄おもちやにされてゐるやうなさびしさと侮辱とを感じてゐたので
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
食物や手遊品おもちやの店を見て𢌞はつたりした光景を、小池は頭の中で繪のやうにひろげながら、空想は何時いつしか十五年前の現實に飛んで、愛宕あたごさんの祭のことを追懷つゐくわいしてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
がうと響く遠音とほねとゝもに、汽車が北から南へ走るのが、薄絹をいて手遊品おもちやの如く見えた。其の煙突からは煙とゝもに赤く火をき出した。やみやぢり/\と石段を登つて來さうであつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
風船、ゴム玉、汽車や刀や、さまざまな珍奇な弄品おもちやが、ところ狭いまでならべられ、サアベルや鉄砲の錻力ぶりきの光つた色が、ちかちかしてゐた。
笛と太鼓 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
「へーえ、役者になりたい。」いぶかもなく蘿月らげつは七ツ八ツのころによく三味線しやみせん弄物おもちやにした長吉ちやうきち生立おひたちを囘想くわいさうした。「当人たうにんがたつてと望むなら仕方しかたのない話だが………困つたものだ。」
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
第一だいいちいたいとの、玩弄具おもちやとりが、たゝずんだものを、むかうへ通拔とほりぬけるすうはない。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
俳句なぞは薄生意気な不良老年の玩物おもちやだと思つて居り、小説稗史はいしなどを読むことは罪悪の如く考へて居り、徒然草をさへ、余り良いものぢや無い、と評したといふ程だから
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)