翫具おもちや)” の例文
この東京行とうきやうゆきは、とうさんがうまれてはじめてのたびでした。とうさんが荷物にもつ用意よういといへば、ちひさな翫具おもちやかばんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
先づ今宵は大路トレドまで出でゝ、面白く時を過さん。世の中は驅足かけあしして行く如し。而して人々のおのが荷を負ひたり。鉛の重さなるもあり。翫具おもちやと一般なるもあり。
翫具おもちや一箇ひとつりやしないわ!それで、お稽古けいこばかり澤山たくさんさせられてさ!あァうしやう、わたし松子まつこさんだつたら此處ここうしてとゞまつてやう!他人ひとあたま接合くツつけたつて駄目だめだわ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
とうさんの幼少ちひさときのやうにやまなかそだつた子供こどもは、めつたに翫具おもちやふことが出來できません。假令たとへしいとおもひましても、それをみせむらにはありませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それは美濃みの中津川なかつがはといふまちはうから翫具おもちや商人あきんどときに、祖母おばあさんがつてれたものでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)