“鞄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かばん95.7%
カバン1.9%
トランク0.9%
ボストン・バッグ0.5%
ケイス0.5%
ケース0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしは『週刊朝日』の原稿をふところに捻じ込んで、バスケットに旅行用のかばんとを引っさげて出ると、地面がまた大きく揺らいだ。
火に追われて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勿論少し大きな肩から掛けるカバンと、風呂敷包一ツ、蝙蝠傘一本、帽子、それだけなのだから直に支度は出来た。若僧は提灯を持つて先に立つた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ノート?」信一郎は、不審いぶかりながら、トランクを掻き廻した。いかにもトランクの底に、三帖綴の大学ノートを入れてあるのを見出した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
打木田はボストン・バッグから三個の石鹸をとり出すと、晋平夫妻の前に置いたが晋平はそんな物に眼もくれなかつた。
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
無害でゆうもらすな海の人々の日用品——それも陸での概念とは大分違うが——を詰めたケイスと、何食わぬフェイスとをぶら提げて、あたらしく入港して来た船へ
「旅行しないことになったから、ボストンケースの中から肉色のを出したの、——あんまり紅いのは変でしょう」
身代りの花嫁 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)