“革鞄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かばん83.8%
かわかばん8.1%
トランク2.7%
かはかばん2.7%
カバン2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
来る途中とちゅう小間物屋で買って来た歯磨はみがき楊子ようじ手拭てぬぐいをズックの革鞄かばんに入れてくれた。そんな物は入らないと云ってもなかなか承知しない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
関口は、うしろに置いてあった分厚い革鞄かわかばんを引き寄せると、中から油紙に包み、厳重に細紐ほそひもでからげた片手握りほどの太さのものを出した。
お守り (新字新仮名) / 山川方夫(著)
赤帽のいない駅なので、自分のお粗末な革鞄トランクをまるで引摺ひきずるようにして、空架橋の線路の向う側からこっち側へと昇って降りて来た。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
按摩あんまどのは、團栗どんぐりごととがつたあたまで、黒目金くろめがねけて、しろ筒袖つゝそで上被うはつぱりで、革鞄かはかばんげて、そくにつて、「お療治れうぢ。」とあらはれた。——勝手かつてちがつて、わたし一寸ちよつと不平ふへいだつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ですから私は今日までのうちにすっかり財産を始末して、現金に換えられるだけ換えて押し入れの革鞄カバンに入れてしまいました。みんなあなたに上げるのです。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)