“提革鞄”の読み方と例文
読み方割合
さげかばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沢は薄汚(うすよご)れた、唯(ただ)それ一個(ひとつ)の荷物の、小さな提革鞄(さげかばん)を熟(じっ)と視(み)ながら、蒼(あお)い形(なり)で、さし俯向(うつむ)いたのである。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
元来汽車の中(うち)で読む了見もないものを、大きな行李に入れ損(そく)なつたから、片付(かたづ)ける序に提革鞄(さげかばん)の底へ、外(ほか)の二三冊と一所に放り込んで置いたのが、運悪(うんわる)く当選したのである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「おくんな。」と言(い)つて、藪(やぶ)の下(した)をちよこ/\と出(で)た、九(こゝの)ツばかりの男(をとこ)の兒(こ)。脊丈(せたけ)より横幅(よこはゞ)の方(はう)が廣(ひろ)いほどな、提革鞄(さげかばん)の古(ふる)いのを、幾處(いくところ)も結目(むすびめ)を拵(こしら)へて肩(かた)から斜(なゝ)めに脊負(せお)うてゐる。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)