“さげかばん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
提革鞄45.5%
提鞄27.3%
提革包18.2%
提皮包9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元来汽車のうちで読む了見もないものを、大きな行李に入れそくなつたから、片付かたづける序に提革鞄さげかばんの底へ、ほかの二三冊と一所に放り込んで置いたのが、運悪うんわるく当選したのである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私は処女歌集の、「桐の花」の改訂をやっているので、その校正刷をここまで提鞄さげかばんにしこたま詰め込んで来たものである。しかも私の校正なるものは普通の校正ではない。ともすると改作になる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
木挽町こびきちょう河岸かしへ止った時、混雑にまぎれて乗り逃げしかけたものがあるとかいうので、車掌が向うの露地口ろじぐちまで、中折帽なかおれぼう提革包さげかばんの男を追いかけて行った。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
此の辺の人の持たぬ貴夫人持ちの提皮包さげかばんである、秀子が昨夜此の様な皮包を提げて居たか否やは覚えぬけれど、若しや秀子が草花屋へ立ち寄って此の小僧に何か買物を托したでは有るまいかと思い
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)