提鞄さげかばん)” の例文
元来汽車の中で読む了見もないものを、大きな行李に入れそくなったから、片づけるついでに提鞄さげかばんの底へ、ほかの二、三冊といっしょにほうり込んでおいたのが、運悪く当選したのである。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は処女歌集の、「桐の花」の改訂をやっているので、その校正刷をここまで提鞄さげかばんにしこたま詰め込んで来たものである。しかも私の校正なるものは普通の校正ではない。ともすると改作になる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
(大学生。制服制帽。大きなめがね。灰色ヅックの提鞄さげかばん
電車 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)