“中折帽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なかおれぼう74.2%
なかおれ9.7%
なかをればう9.7%
なかをれぼう6.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると一人の男、外套がいとうえりを立てて中折帽なかおれぼう面深まぶかかぶったのが、真暗まっくらな中からひょっくり現われて、いきなり手荒く呼鈴よびりんを押した。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ここにも一羽、とおなじような色の外套がいとうに、洋傘こうもりを抱いて、ぬいだ中折帽なかおれを持添えたままむぐらの中を出たのであった。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……「やあ」と洋杖ステツキをついてまつて、中折帽なかをればうつたひとがある。すぐにわたし口早くちばや震災しんさい見舞みまひ言交いひかはした。花月くわげつ平岡權八郎ひらをかごんぱちらうさんであつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鍔広つばひろなる藍鼠あゐねずみ中折帽なかをれぼう前斜まへのめりかむれる男は、例のおもてを見せざらんと為れど、かの客なり。引連れたる女は、二十歳はたちを二つ三つも越したるし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)