“柔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やわら19.5%
やわ18.3%
やさ15.8%
やわらか14.8%
やはら13.1%
やは5.2%
やはらか5.2%
にこ1.7%
1.5%
じゅう0.7%
なご0.5%
やん0.5%
おとな0.2%
しな0.2%
じう0.2%
なごや0.2%
にこや0.2%
0.2%
やあら0.2%
やあらけ0.2%
やお0.2%
やさし0.2%
やつけ0.2%
やわらこ0.2%
よわ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
咽喉から流れるままに口の中で低唱ていしょうしたのであるが、それによって長吉はやみがたい心の苦痛が幾分かやわらげられるような心持がした。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かがやいて、あたたかなかぜが、やわらかなくさうえわたるときは、ふえうたこえは、もつれあって、あかるいみなみうみほうながれてゆきました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
生れ変ったようなやさしげな心に成ったかえと思うと、わしイはア誠に嬉しいだよ、死んだ父さまもさぞ悦ぶべえと思うと嬉し涙が出るだよ
この混ぜ方が少しむずかしいので、パラパラと振りかけておいて、今のササラかはしで極く軽くやわらかにホンのだますような心持こころもちで混ぜます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「さうでもあるまいよ。親方は身のこなしが型にはまつて居るから、町道場へ通つてやはらの一手くらゐは稽古したことがあるんだらう」
説教者の力により胸はをのゝき心は壓倒されたが、やはらげられることはなかつた。終始其處には一種異樣な苦味にがみが漂つてゐた。
麥色の薔薇ばらの花、くくりの弛んだ重い小束こたばの麥色の薔薇ばらの花、やはらかくなりさうでもあり、かたくもなりたさうである、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かれ火照ほでりの命は、海佐知うみさち毘古として、はたの廣物鰭の物を取り、火遠理ほをりの命は山佐知やまさち毘古として、毛のあら物毛のにこを取りたまひき。
「なにいうてるのよ、昭ちゃん。かたい云うからわうにしたんじゃないの、じら云わんとたべんさい」
播州平野 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
孔子は孔子で、この弟子の際立ったらし難さに驚いている。単に勇を好むとかじゅうきらうとかいうならばいくらでも類はあるが、この弟子ほどものの形を軽蔑けいべつする男もめずらしい。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
舷の触れ合う音、とも綱の張る音、睡たげな船の灯、すべてが暗く静かにそして内輪で、なごやかな感傷を誘った。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
あの時、僕が樺の森を云いだすと、クリヴォフ夫人は、両手をやんわり合掌したように合せて、それを卓上に置いたのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
若い妓はおとなしかった。むっともしそうな頬はなお細って見えて
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
脂肪の多い生白いからだやしなやかな人柄ではあるが、怒りも喜びもそをつと秘密にしてをくやうな陰性な極端に悪く云へば男妾的な性格をあまり好いてはゐなかつた。
二人の男 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)
其所そこは幕府の家來が槍だとか、劍だとか、じうだとか、鐵砲だとかを稽古するところで、私の親父は其の鎗術の世話心得せわこゝろえといふ役に就いて居た。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
岡に寄せ我が刈るかや狭萎草さねがやのまことなごやろとへなかも (同・三四九九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
勘次かんじ怪我人けがにんうしろかくれるやうにして自分じぶんばんになるのをちながら周邊あたりなんとなく藥臭くすりくさくておそろしいやうなかんじにとらはれた。醫者いしや一人ひとり患部くわんぶやはらかにんでやつてたが勘次かんじをちらとた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何や清藏、あのお若を屋敷奉公させてうちへ帰らば、やあらけえ物も着られめえと思って、紬縞つむぎじま手織ておりがえらく出来ている、あんな物が家に残ってるとあとで見てきもれてくねえから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の代りにゃアこゝな家は忙がしくて、庭のうちを一日に十里ぐれえの道は歩くから、夜は草臥れて顛倒ぶっくりけえってしまうのサ、それから見ると熊ヶの女共はやあらけえ着物を着ていて楽な代りに
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『ちんちんちどり』、だことの、『ちょっきんちょっきんちょっきんな』、だことの、まるでぼんおどりの歌みたよなやおい歌ばっかりでないか
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
と顔をながめて元気らしく、呵々からからと笑うと、やさしい瞳がにらむように動き止まって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昨日等きのふらツからちつとやつけ言辭ことばけつとうるしがつてんですから、それからわし野郎やらうもらつて火傷やけどくすりつてやつたんでさ、くすりんなくつちやつたから醫者樣いしやさまつてべとおもつたつけが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
如何いかにもしとやかで跫音あしおとやわらこうございました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのまんまるさは次第に大きくはなったが、しかし輪廓をぼやけさせてゆがんで、それを持ちこらえられなくなって、いきなり飛びついて悲しげに甲斐絹のようなよわい長い声ですすり泣いた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)