“柔婉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しなやか40.0%
じゅうえん40.0%
なよやか20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はそっと階子段をのぼった。柔婉しなやか体格からだをもった彼女の足音は猫のように静かであった。そうして猫と同じような成効せいこうをもってむくいられた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これらの点から判断してこの弥陀画像は平安朝の柔婉じゅうえんな趣味が頭をもたげ始めた時代の最も古い時期の製作かとも思われる。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
さかに立てたのは二枚折の銀屏ぎんびょうである。一面にえ返る月の色のほう六尺のなかに、会釈えしゃくもなく緑青ろくしょうを使って、柔婉なよやかなる茎を乱るるばかりにいた。不規則にぎざぎざを畳む鋸葉のこぎりはを描いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)