“じゅうえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
拾円37.5%
柔婉25.0%
獣苑12.5%
柔艶12.5%
重縁12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そいじゃ、これで切りあげよう。なあに戻りに、昨日きのうの宿屋で、山鳥を拾円じゅうえんも買って帰ればいい。」
注文の多い料理店 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あるいは貧賤なる農夫・傭工ようこう・職人をして権利を保有せしむるの嘆願書となり、あるいは柔婉じゅうえん優美なる婦女をして参政の権を分配せんことを迫るの公訴状となり
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ある日の夕暮れなりしが、余は獣苑じゅうえんを漫歩して、ウンテル・デン・リンデンを過ぎ、わがモンビシュウ街の僑居きょうきょに帰らんと、クロステルこうの古寺の前にぬ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余は道の東西をも分かず、思いに沈みて行くほどに、きあう馬車の馭丁ぎょてい幾度いくたびしっせられ、驚きて飛びのきつ。しばらくしてふとあたりを見れば、獣苑じゅうえんの傍らに出でたり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その円々とした、しかも細やかな腰や大腿にまとう薄い衣の、柔艶じゅうえんをきわめたなびき方。——しかしそれは双眼鏡をもってしてもかすかにしかわからない高いところに掛かっている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
従妹いとこ同士の重縁じゅうえんでゆくゆくは兄と一緒にするという相談が、双方の親たちのあいだに結ばれていることを、わたくしも薄うす承知していましたから
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)