“しなやか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
柔軟16.7%
柔婉11.1%
11.1%
嫋娜11.1%
嬌娜11.1%
優柔5.6%
5.6%
嫋々5.6%
孅弱5.6%
撓柔5.6%
温柔5.6%
繊弱5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岸本はその頃のさかりの園子を、女らしく好く発達した彼女を、堅肥かたぶとりにふとっても柔軟しなやかな姿を失わない彼女の体格を、記憶でまだありありと見ることが出来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女は年のころ十七、八で翠袖すいしゅう紅裙こうくんきぬを着て、いかにも柔婉しなやかな姿で、西をさしてしずかに過ぎ去った。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
彼は、若い男鹿おじかの四肢のように、スラリとしなやかな少年の姿を、飽かず眺めたり、父と母とにかたみに話しかける簡単な会話に、耳を傾けたりしていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いかにも体つきの嫋娜しなやかおんな
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あのさかあがぐちところで、うへからをとこが、あがつて中年増ちうどしまなまめかしいのと行違ゆきちがつて、うへしたへ五六はなれたところで、をとここゑけると、なまめかしいのはぐに聞取きゝとつて、嬌娜しなやか振返ふりかへつた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
熱あるものは、楊柳ようりゅうの露のしたたりを吸うであろう。恋するものは、優柔しなやか御手みてすがりもしよう。御胸おんむねにもいだかれよう。はた迷える人は、緑のいらかあけ玉垣たまがき、金銀の柱、朱欄干しゅらんかん瑪瑙めのうきざはし花唐戸はなからど
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一肩上に立った、その肩もすそも、しなやかな三十ばかりの女房が、白い手を差向けた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あとでも思ったが、その繕わない無雑作な起居たちい嫋々しなやかさもそうだが、歩行あるく時の腰のやわらかに、こうまでなよなよと且つすんなりするのを、上手の踊のほかは余り見掛けない。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中には男に孅弱しなやかな手を預け、横から私語ささやかせ、軽く笑いながら樹蔭を行くものもあった。妻とすら一緒に歩いたことのない原は、時々立留っては眺め入った。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かはれば現在げんざいをつとまへ婦人ふじん身震みぶるひして飛退とびのかうとするのであつたが、かる撓柔しなやかにかかつたが、千曳ちびきいはごとく、千筋ちすぢいとて、そでえりうごかばこそ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
妙子の手は、矢車の花の色に際立って、温柔しなやかな葉の中に、枝をちょいと持替えながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
色に現はれ、繊弱しなやか
小曲二十篇 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)