“たおや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.9%
優婉14.3%
婀娜14.3%
嫋美14.3%
手嫋14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、いや、白馬の毛並の見事さや、背の鞍の華麗などはまだいうもおろかであった。その駒に続いて、後ろから歩みもたおやかに、世間の風にも怖れるもののように、楚々そそと姿をあらわした美人がある。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その肩に藤の花をになわせたら、大津絵の藤娘になりそうな——と人々はその優婉たおやかな姿が、あしたからここに見られないのを惜しんだ。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大納言は、常のとおり、布衣ほいかんむり婀娜たおやかに着なして、鮮やかなくるまに乗った。雑色ぞうしき、牛飼、侍十人以上をつれて、すぐに、西八条へと行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不意に嫋美たおやかな笑いこぼれ。新九郎はハッとして振り顧ると、簀戸すどの向うにいてみえた姿は、たびたび枕元へ来て、優しい言葉をかけられた寮のあるじの御方である。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女のその手嫋たおやかな、いかにも手嫋女たおやめといった風情が、すっかり彼地の人の心をとらえてしまった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)