“嫋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なよ22.0%
しな16.0%
しなや14.0%
たお12.0%
なよや12.0%
たおや6.0%
たわや4.0%
しなやか2.0%
たを2.0%
たをやか2.0%
2.0%
なま2.0%
なよび2.0%
ヨラ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
楚々そそ——いとも楚々としてなよやかな佳嬪かひんが列をなしてきた。おのおの、酒瓶しゅへい肉盤をささげている。酒宴となった。哄笑、談笑、放笑、微笑。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十歳はたちか二十一、二とも思われる、女の姿のまた窈窕あでやかさ! しなやかな首筋はすんなりと肩へ流れて、純白女神のごとき白絹の綾羅うすものを装うていた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
しなやかではあるがあらい手で私の全身からだじゅうさすっている。その快い触覚が疲労と苦痛とで麻痺している私の肉体からだいたわってくれる。私の意識は次第次第に恢復するように思われた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
緑の怒濤のように前後左右で吼え沸き立つのはよいとして、異様な動悸を打たせるのは、竹はたおやかだからその擾乱の様がいやに動的ぽいことだ。
雨と子供 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そこのとまの陰には、船頭の妻とも見えぬなよやかな病人が、つかね髪を木枕にあてて、白いおもてをなかば、夜具のえりにかくして寝ていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多くの記念塔の頸輪くびわをつけ、悧発りはつげな無頓着むとんじゃくさで伸びをして、またそぞろ歩きの美人のように、自分の美しさに微笑ほほえんでいる、身こなしたおやかな優美な河であった。
巌門いはと力もがも。たわやをみなにしあれば、すべの知らなく
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
一肩上に立った、その肩もすそも、しなやかな三十ばかりの女房が、白い手を差向けた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああのがれよと、たをやげる君がほとりを
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
うなじからかたおもふあたり、ビクツと手応てごたへがある、ふつと、やはらかかるく、つゝんで抱込かゝへこむねへ、たをやかさと重量おもみかゝるのに、アツとおもつて、こしをつく。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左右からも前からも、途端に、物の具の固い腕が、彼女のよやかな腕くびをつかみあげて
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なまめかしくも媚ある風情を
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
おなじことおなじなよびにくりかへし
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
草の如 ヨラへる処女は、君がまに/\(同)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)