“嫋娜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すらり55.6%
しなやか22.2%
たをや11.1%
なよやか11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其処に唯一人、あのひとが立ったんです。こうがいがキラキラすると、脊の嫋娜すらりとした、裾の色のくれないを、潮が見る見る消して青くします。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれは床几を立つ。人々お沢をだきすくめて床几にす。黒髪高く乱れつつ、一本ひともとの杉のこずえに火をさばき、艶媚えんびにして嫋娜しなやかなる一個の鬼女きじょ、すっくと立つ——
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嫋娜たをやかに感ぜられるのであらうが、藤の花のやうにすらりと丈の伸びたテルヨが
天狗洞食客記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
嫋娜なよやかに出されたので、ついその、のばせばとどく、手を取られる。その手が消えたそうに我を忘れて、可懐なつかしかおりに包まれた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)