“鬼女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きじょ78.6%
きぢよ21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれは床几を立つ。人々お沢をだきすくめて床几にす。黒髪高く乱れつつ、一本ひともとの杉のこずえに火をさばき、艶媚えんびにして嫋娜しなやかなる一個の鬼女きじょ、すっくと立つ——
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
絵にかいた鬼女きじょのような顔をして、黙ってはいって来たかと思うと、だしぬけに台所へかけ込んで、出刃庖丁を持ち出して来て、先生に切ってかかりました。
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
悪魔あくまいまにくほつする、もとむる……ほとけ鬼女きぢよ降伏がうぶくしてさへ、人肉じんにくのかはりにと、柘榴ざくろあたへたとふではいか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
八五郎はゾツとして枕をそばだてました。まぎれもありません、佛壇の中、位牌ゐはいの前に現はれたのは、青黒い地に紅隈べにくまを取つて、金色の眼を光らせた、鬼女きぢよの顏なのです。