“なよやか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嫋娜20.0%
嬌娜20.0%
柔婉20.0%
繊弱20.0%
靡娜20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
嫋娜なよやかに出されたので、ついその、のばせばとどく、手を取られる。その手が消えたそうに我を忘れて、可懐なつかしかおりに包まれた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
瞳の動かぬ気高い顔して、恍惚うっとりと見詰めながら、よろよろと引退ひきさがる、と黒髪うつる藤紫、肩もかいな嬌娜なよやかながら、袖に構えた扇の利剣、霜夜に声も凜々りんりん
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さかに立てたのは二枚折の銀屏ぎんびょうである。一面にえ返る月の色のほう六尺のなかに、会釈えしゃくもなく緑青ろくしょうを使って、柔婉なよやかなる茎を乱るるばかりにいた。不規則にぎざぎざを畳む鋸葉のこぎりはを描いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
色のとほるばかりに白き、難を求めなば、髪は濃くて瑩沢つややかに、かしらも重げにつかねられたれど、髪際はへぎはすこしく打乱れたると、立てるかたちこそ風にもふまじく繊弱なよやかなれど、おもてやせの過ぎたる為に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ちょうど段々中継なかつぎの一土間、向桟敷むこうさじきと云った処、さかりに緋葉した樹の根に寄った方で、うつむきなりに片袖をさしむけたのは、すがれ、手を取ろう身構えで、腰を靡娜なよやかに振向いた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)