“かよわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
繊弱42.4%
孱弱19.7%
脆弱6.1%
纖弱4.5%
尫弱3.0%
柔弱3.0%
軟弱3.0%
纎弱3.0%
3.0%
嬬弱1.5%
柔軟1.5%
1.5%
繊楚1.5%
繊細1.5%
羸弱1.5%
蚊弱1.5%
軽弱1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もしも帆村が一段と声を励まして気を引立ててやらなかったら、繊弱かよわいこの一人娘は本当に気が変になってしまったかもしれない。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
年紀としのころは二十七八なるべきか。やや孱弱かよわなる短躯こづくりの男なり。しきり左視右胆とみかうみすれども、明々地あからさまならぬ面貌おもてさだかに認め難かり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
……あなたは見たから知っているでしょう、こんな脆弱かよわい女一人を、大勢の男であんなひどい目に逢わせるんです。……ねえ、あなた、あたしを気の毒だと思わない?
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
金髮きんぱつ金雀花えにしだよ、夢ばかりみてゐる纖弱かよわい木、わたしの悲しい心のよろこび
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
私はそれが嬉しかつた。奈何どんな尫弱かよわい體質でも、私は流石に男の兒、藤野さんはキッと口を結んでさとく追つて來るけれど、容易につかまらない。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あの狂氣きちがひのやうに立騷たちさわいで多人數たにんずうあひだけて、この柔弱かよわ夫人ふじん少年せうねんとを安全あんぜん端艇たんてい送込おくりここと出來できやう? あゝ人間にんげんはいざと塲合ばあひには、恥辱はぢ名譽めいよもなく、まで生命いのちしいものかと
つまの花瀬は最前より、物陰にありてくだんの様子を、残りなくながめゐしが。身は軟弱かよわ雌犬めいぬなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
しかし、春枝夫人はるえふじん日出雄少年ひでをせうねんとはわたくしかたとも保證ほしやうしてひとかつ纎弱かよわ女性によせうと、無邪氣むじやきなる少年せうねんであれば、この二人ふたりをば避難ひなんせしめんとしきりこゝろいらだてたのである。
恨みのある心をかよわせたものとして振りが付けてあるのだそうでございます。
京鹿子娘道成寺 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
今朝牢屋の出口で柳の太い生棒で三百ほど嬬弱かよわ臀部でんぶを打たれて歩けない程になって居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
庭の草木も濡れて復活いきかえった。毎日々々のあつさで、柔軟かよわ鳳仙花ほうせんかなぞは竹の垣のもとに長い葉を垂れて、紅く咲いた花も死んだように成っていたが、これも雨が来て力を得た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
靄の中から病気のかよわい女の声がした。
機関車 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
鼎に似ると、るもくも、いずれ繊楚かよわい人のために見る目も忍びないであろう処を、あたかもよし、玉を捧ぐる白珊瑚しろさんごなめらかなる枝に見えた。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの繊細かよわい、細い腕から、どうしてあんな恐ろしい、男も及ばぬ力量ちからが出るかと、怪しまるるばかりで御座いますが、実は人間というものは、どんな優しい御婦人でも
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おくみの羸弱かよわい手が、自分の頸の廻りに、纏ひ附いて居る為に、踠けば踠くほど、深味へ陥ちて行くやうに思はれてしやうがなかつた。
海の中にて (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
蚊弱かよわいとかたよわくと云う字だと思います」「なるほどそうも取れん事はないが本来の字義を云うと危う気にと云う事だぜ。だから僕ならこうは書かないね」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
全く軽弱かよわい婦女子の根性であって少しも独立心というものがない。その独立心のない事は既にチベットの婦女子の性質、一般国民の性質及び政府の意向を述べた時に明らかになって居る訳です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)