“繊細”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぼそ36.2%
せんさい24.6%
きゃしゃ14.5%
きやしや10.1%
デリケート5.8%
かほそ1.4%
かよわ1.4%
きしや1.4%
こまか1.4%
ほそ1.4%
ほっそり1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くちばしで掻き乱したものか細かい胸毛が立つて居り、泊り木に巻きついてゐる繊細かぼそい足先には有りつ丈けの力が傷々いた/\しく示されてゐる。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
当時は婦人の身長が一体に低かったようであるが彼女かのじょも身のたけが五尺にたず顔や手足の道具が非常に小作りで繊細せんさいを極めていたという。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
岳神の息子夫妻の象徴のように一方は普通の峯かたちで、一方はいくらか繊細きゃしゃで鋭くけも高かった。山の祖神の老いの足でも登れた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鴈治郎はとしよつた尼さんのやうな寂しさうな眼もとをして、をふつた。そのは女の涙を拭いてやるために態々わざ/\拵へたやうに繊細きやしやに出来てゐた。
血みどろの死体をいじり廻すのを商売冥利みょうりと考えるためには、平次の神経は少し繊細デリケートに過ぎたのです。
ひかりやゝよわく、きぬのひた/\とところに、うすかげ繊細かほそくさして、散乱ちりみだれたさくらはなの、くびにかゝつたまゝ、美女たをやめは、ひたひてゝ、双六盤すごろくばん差俯向さしうつむいて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あの繊細かよわい、細い腕から、どうしてあんな恐ろしい、男も及ばぬ力量ちからが出るかと、怪しまるるばかりで御座いますが、実は人間というものは、どんな優しい御婦人でも
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
年は四十五六、繊細きしやな手にすら小皺こしわが見えてゐた
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その渚が——女だ、髪にはどこまでも目が繊細こまかい——雪を透かして
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と母に言われて、お仙は白い繊細ほそい手を口に宛行あてがいながら、無邪気に笑った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どんな服を着ていたか覚えもありませんが、繊細ほっそりとした腰といい、縮れた亜麻色ブロンドの髪……恰好かっこうのいい鼻……口……横顔……ジーナそっくり、いいえそっくりといったのでは当りません。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)