“傷々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いたいた81.8%
いた/\18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、生きながらの鬼を自分の心に思う女が、夜半、どんな幻覚を夢うつつに抱くだろうか。傷々いたいたしくもあり、恐ろしくもある。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんな小さなせっぽちな伯父がこれから一人ぼっちで棺の中に入らなければならないのかと思って、ひどく傷々いたいたしい気がした。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
くちばしで掻き乱したものか細かい胸毛が立つて居り、泊り木に巻きついてゐる繊細かぼそい足先には有りつ丈けの力が傷々いた/\しく示されてゐる。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
丁度膝頭のあたりからふくらはぎへかけて、血管が青く透いて見える薄い柔かい肌の上を、紫の斑点がぼかしたように傷々いた/\しく濁染にじんでいる。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)