『少年』
もう彼れ此れ二十年ばかりも前になろう。漸く私が十ぐらいで、蠣殻町二丁目の家から水天宮裏の有馬学校へ通って居た時分———人形町通りの空が霞んで、軒並の商家の紺暖簾にぽか/\と日があたって、取り止めのない夢のような幼心にも何となく春が感じられる …
著者 | 谷崎潤一郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「スバル」1911(明治44)年6月号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約48分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間19分(300文字/分) |
作品に特徴的な語句
徒
端
先
巡査
縛
上
掌
私
然
額
前
商家
寂然
帷
一寸
凜々
鐶
石
迭
啣
囃
煖
詫
対
湿
彼
後
機巧
徐
耳朶
態
断
七子
人
仇
白粉
仕丁
仲間
顰
侍
頤
面立
睨
劃
半眼
銭
銀沙
鉄漿
咬
唾吐
四人
詰
総身
床
蚯蚓
強飯
彳
纔
梁
心
舌鼓
所
腕
脛
把手
擦
斑
眉間
鷹揚
真紅
眼差
眼球
眼瞼
睫毛
瞋
神楽
祠
稀有
稲荷
空嘯
竦
算盤
築山
納戸
緑青
緞子
縮緬
繞
罩
肌理
胡坐
踝
邪慳
遣
躪
蹈
跋扈
豆炒
足袋
鏗然
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