“顰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひそ49.8%
しか41.4%
ひそみ2.5%
びん2.3%
ひん1.4%
しかめ0.8%
しが0.8%
ぴん0.6%
ゆが0.2%
シカメ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眉を上げたりひそめたりして、当惑の表情とも、不審の表情とも、恐怖の表情とも、それとも単に怜悧な熱心な注意の表情ともつかぬ
「ぢや、ねいさんは何方どちらすきだとおつしやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、かほしかめてうながすを、姉は空の彼方あなた此方こなたながめやりつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
西班牙スペイン葡萄牙ポルトガル等が独りこれを行ったばかりでなく、英も仏も皆当時はそのひそみならって同様な非人道的なことを行っていたものであった。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
京子の一びんしょうに、彼女の幸福や不幸が宿っているのだった。京子の機嫌の悪いときは、彼女の生活は暗くなってしまうのだった。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
体内に灯された処女の生命いのちが、一ひん、一笑、一挙手、一投足に、恐ろしいばかりの光明ひかりになって、その五体から発散するのです。
私はしかめツ顔をして云つた、それでも、ここまで来て、買はずに帰るのも業腹ごふはらだつたので……。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
「いけません、な」と、猫八は顔をしがめてみせながら、「そんなところで例のシチュエイションをやっては!」
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
其女そなたの一ぴんしょうを、みな自分勝手に受け取って、独りで恋をし、独りで悩み、独りで迷い、揚句あげくの果に——又これからも、生涯独りで彷徨さまよい出そうとしている
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、彼女の影を踏みながらその後から従った。大兄の顔はゆがんで来た。彼は小石を拾うと森の中へ投げ込んだ。森は数枚の柏の葉から月光を払い落してつぶやいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それをみると、彼女は一寸シカメ顔をした。
良子 (新字旧仮名) / 中原中也(著)