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顰
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ひん
ふりがな文庫
“
顰
(
ひん
)” の例文
体内に灯された処女の
生命
(
いのち
)
が、一
顰
(
ひん
)
、一笑、一挙手、一投足に、恐ろしいばかりの
光明
(
ひかり
)
になって、その五体から発散するのです。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人は
箸
(
はし
)
とも
楊枝
(
ようじ
)
とも片のつかないもので、
無雑作
(
むぞうさ
)
に饅頭を割って、むしゃむしゃ食い始めた。宗助も
顰
(
ひん
)
に
傚
(
なら
)
った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
名門豪戸競うて之を
玩味
(
がんみ
)
し給うとは雖も、その趣旨たるや、みだりに重宝珍器を羅列して豪奢を誇るの
顰
(
ひん
)
に
傚
(
なら
)
わず、閑雅の草庵に席を設けて巧みに新古精粗の器物を交置し
不審庵
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
幸
(
さいわい
)
にして明治政府には専制の君主なく、政権は
維新功臣
(
いしんこうしん
)
の手に
在
(
あ
)
りて、その主義とするところ、すべて文明国の
顰
(
ひん
)
に
傚
(
なら
)
い、一切万事
寛大
(
かんだい
)
を主として、この敵方の人物を
擯斥
(
ひんせき
)
せざるのみか
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
主人
(
しゆじん
)
は
箸
(
はし
)
とも
楊枝
(
やうじ
)
とも
片
(
かた
)
の
付
(
つ
)
かないもので、
無雜作
(
むざふさ
)
に
饅頭
(
まんぢゆう
)
を
割
(
わ
)
つて、むしや/\
食
(
く
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
宗助
(
そうすけ
)
も
顰
(
ひん
)
に
傚
(
なら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
貴婦人達は
一切
(
いっさい
)
茶を
喫
(
のま
)
ずして
茶話
(
ちゃわ
)
会の楽しみをも廃したと
云
(
い
)
うことを
聞
(
きい
)
た、
左
(
さ
)
れば吾々もこの度は米国人の
顰
(
ひん
)
に
傚
(
なら
)
い、一切
上圊
(
じょうせい
)
を廃して政府を
困
(
こま
)
らして
遣
(
や
)
ろうではないか、この発案の可否
如何
(
いかん
)
とて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分も用心のため、すぐ彼の傍へ行って
顰
(
ひん
)
に
倣
(
なら
)
った。それから三人前後して濡れた石を
踏
(
ふ
)
みながら
典座寮
(
てんぞりょう
)
と書いた
懸札
(
かけふだ
)
の眼につく
庫裡
(
くり
)
から案内を
乞
(
こ
)
うて座敷へ上った。
初秋の一日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
顰
漢検1級
部首:⾴
24画
“顰”を含む語句
顰蹙
一顰
顰面
一顰一笑
打顰
顰笑
一顰一蹙
嬌顰
詩史顰
面顰
顰縮面