“箸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はし98.9%
ばし1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なんだい、あの音は」食事のはしを止めながら、耳に注意をあつめるしぐさで、行一は妻にめくばせする。クックッと含み笑いをしていたが
雪後 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
僧は上りかまちに腰かけて、何の恥らう様子も無く、悪びれた態度もなく、大声をあげて食前の誦文を唱え、それから悠々とはしった。
とと屋禅譚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
水々しいうおは、真綿、羽二重のまないたに寝て、術者はまなばしを持たない料理人である。きぬとおして、肉を揉み、筋をなやすのであるから恍惚うっとりと身うちが溶ける。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平次はさう言つて、火鉢の中に火ばしを突つ込んで、無作法に掘り返しました。よくならされた灰は無慚むざんにも掻き荒され、中からピンと飛び上がつたもの。