“ばし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
63.8%
17.0%
10.6%
2.1%
馬歯2.1%
馬氏2.1%
2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつともなく菊亭右大臣家きくていうだいじんけばしにたたずんだ三人づれの旅僧たびそうは、人目ひとめをはばかりがちに、ホトホトと裏門のをおとずれていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「早飯、早陣、早ばしり」——何事も拙速を尊ぶのが戦国時代の生活法で、早陣というのは陣立てするのに神速を尊ぶことである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次はさう言つて、火鉢の中に火ばしを突つ込んで、無作法に掘り返しました。よくならされた灰は無慚むざんにも掻き荒され、中からピンと飛び上がつたもの。
それでも素ばしっこいのが師匠の屋敷へ逃げて帰って、そのことを訴えたので、居あわせた仲間ふたりと若党とがすぐに其場へ駈けつけると、乱暴者はもう逃げてゆくところでした。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたくしはその時馬歯ばし三十二歳であった。本書に掲載した当時の『新小説』「すみだ川」の口絵は斎藤昌三氏の所蔵本を借りて写真版となしたものである。ここに斎藤氏の好意を謝す。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
明史みんし恭閔恵きょうびんけい皇帝紀に記す、宮中火起り、帝終る所を知らずと。皇后馬氏ばしは火に赴いて死したもう。丙寅へいいん、諸王及び文武の臣、燕王に位にかんことを請う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
八重山島の「ばしの鳥の歌」の雄渾ゆうこんなる風姿は南国の高調ともいうべきか。