“いた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イタ
語句割合
20.6%
13.0%
12.5%
7.0%
6.1%
6.0%
5.8%
4.3%
3.8%
3.1%
(他:217)17.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おれは素人しろうとでわからねえが、どうして水が漏ったのだろう。やっぱり底がいたんでいたのかな」と、半七は云った。
かの焔の中に、彼等は門を作りてローマびとのたふとき祖先をこゝよりいでしめし馬の伏勢ふせぜいいたみ 五八—六〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
体中からだじゅうにうけたきずがずきんずきんいたみますし、もうつかれきってのどがかわいてたまりませんので
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むねいたい、そんなにいそぐならば此方こちらぬ、おまへ一人ひとりでおいでおこられて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今宵こよひつきあきらかなれば、さしもにひろきネープルスわん眼界がんかいいたらぬくまはなく
今後は有体ありていに、実意になし、送り状も御見せ下さるほど万事親切に御取り計らい下さらば、一同安心いたすべきこと。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薩長二藩の有志らはいずれも争って京都に入り、あるいは藩主の密書をいたしたり、あるいは御剣ぎょけんを奉献したりした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
而してわれより出るしゆひかりわれしんぜずしてしゆしんずるにいた
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
一日いちにちまた一日いちにちはたらいておいいたるのをすこしもかんじない樣子やうすです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
やがて、ハッと気がつきますと、ハタハタと、いたを歩く音がして、誰かが落し戸の方へ近づいて参るのでございます。
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
醫者いしや爼板まないたのやうないたうへ黄褐色くわうかつしよく粉藥こぐすりすこして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「……いや申しおくれたが、お父上の国香殿の御死去。はるかに、お噂はきいた。さぞ御無念でおわそう。おいたみ申しあげる」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『可哀さうに! 恐ろしい火山の煙りが、あの勇敢なプリニイを窒息させたんですね。』とジユウルがいたましさうに云ひました。
その肩口を、レヴェズはいたわるように抱きかかえて、あたかも秘密の深さを知らぬ者を嘲笑するような眼差を、法水に向けた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
古田織部は、つくづくと見入つてゐた眼を、木の枝から果物をもぐ折のやうに、いたはりながらそつと茶入からひき離しました。
小壺狩 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
激昂げっこうの反動はいたく渠をして落胆せしめて、お通ははりもなく崩折くずおれつつ、といきをつきて、悲しげに、
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あらわに白きえり、肩のあたりびんのおくれ毛はらはらとぞみだれたる、かかるさまは、わが姉上とはいたく違へり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
三里にしてパーチェという駅に着いて泊りましたが、どういう加減か自分の足はくつくわれて余程いたみを感じたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
——ただ一雫ひとしずくの露となって、さかさに落ちて吸わりょうと、蕩然とろりとすると、痛い、いたい、痛い、疼いッ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そう云う若い時からの執念で威張り、それ見ろ、と云う態度で居るのを見る心持。——いたわられるのが当然と云う自負
一九二三年夏 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
無味無色でありすぎたその失はれた青春をまた一生をいたはるためにも、養子夫婦をいぢめぬくことに偏執せずにゐられなかつたのであらう。
世間もし涙を神聖に守るのわざけたる人を挙げて主宰とすることあらば、いたく悲しきことは跡を絶つにちかからんか。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
たゞ篇中の思想の頑癖に至りては、或は今日の余の思想とは異るところなり、友人諸君の幸にして余が為にいたく憂ひ玉はざらんことを。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
三河屋の七十隠居へもらわれていく、そんな暗い悲しいいたましいお艶ちゃんとの別れだから、俺の心は痛み、疼くのだ。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
今まで道楽であった句選が、このごろ先生の大切な職務の一つとなったのが、いたましいアイロニイのように笹村の目にひらめいた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
このつき燕王指揮しき李遠りえんをして軽騎六千を率いて徐沛じょはいいたり、南軍の資糧をかしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
されども技藝の聲價、技藝の光榮は、縱令よしや其極處にいたらんも、昔のアヌンチヤタが境遇の上に出づべくもあらず。
村上義清の気の弱さを叱ったのもそれだし、敵の乱波にいたわりをかけたのもそういう心根が肚にすわっているからであった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
病人の半兵衛が主君へいたわろうと努めているおもりを、秀吉も同じように臣下の彼へつとめぬいているのであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを書きしは、かう/″\しき預言者にて、その指すかたに向ひて往くものは、地獄の火燄を踏み破りて、天堂にいたらんとす。
来路を下り堰口せきぐちたきいたり見れば、これもいつかセメントにて築き改められしが上に鉄の釣橋をかけ渡したり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
人の心を優しくいたはるやうな温かさは微塵もなく、カルヴィン派の信條——神の選拔、宿命、定罪——の峻烈な暗示が頻々と出て來た。
「君の評判はよく聞いてゐる。あんなになるには隨分苦勞したべ」と彼は優しくいたはるやうに言つた。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
神田の伯母からふんだくった一枚看板と、この舞台いたについた出語りとで、勘次は先に立って三十間堀を拾って行った。
「どうしてなかなか結構もんだ。いとにも乗れば、ちゃんと舞台いたについている。おめえが、踊りの下地がねえといったのは、ありゃあ嘘だろう」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「お前はその帶を見付けるのだ。金襴きんらんの立派な帶が、ひどくいたんでゐる。兩方の端には穴くらゐあいたかも知れない」
そこへ激しい彼岸嵐に襲われて、左舷さげん船嘴せんしと一舷窓とがこわれ、前檣ぜんしょうの索棒がいたんだ。
曹操は、帰京後も典韋の霊をまつり、子の典満てんまんを取りたてて、中郎に採用し、果てしなく彼の死をいたんでいた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて曹彰はただ一人になって宮門に入り、兄の曹丕そうひに対面すると、共に手をとって、父の死をいたみかなしんだ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然れども天の時いまだいたらざりしかば、南の山に蝉のごとくもぬけ、人とことと共にりて、東の國に虎のごとく歩みたまひき。
ここに八十神ぎ追ひいたりて、矢刺して乞ふ時に、木のまたよりき逃れてにき。
りやそんなに夜更よふかしするもんぢやねえ」といたはるやうなたしなめるやうな調子てうしていつてるのである。さうすると、
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
文角は今まで洞口にありて、二匹の犬の働きを、まなこも放たず見てありしが、この時おもむろに進み入り、悶絶なせし二匹をば、さまざまにねぶいたはり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
めたるぢりめんのおびあげのけておびよりおちかゝるもなまめかしからでいたましのさまなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
否、それに忍從にんじうし、それに屈伏くつぷくして、いたましき二重の生活を續けて行く外に此の世に生きる方法を有たないではないか。
歌のいろ/\ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
子孫享祀きょうしして誠をもってこれを感ずるに及びては、すなわちまたよく来たりいたる。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
横井は実学を唱う、物にいたりて知をいたすは、彼が学問の功夫くふうなりといえども、彼の彼たる所以は、「神智霊覚湧きて泉の如き」直覚的大活眼かつがんにあるなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
鋲は錆び、瓦は破損いたみ、久しく開けないために、扉に干割ひわれの見える大門。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すこし破損いたんじゃいるが、なあに、そりゃ自分で直すじゃろうて。
「わたくし共は粛然として先生に拝辞した。実に此日の会合は悲壮言語に絶してゐて、今にいたるまで忘れることが出来ない。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今にいたりて死せず、た父兄今日の累を致す、不幸の罪、何を以てかこれにくわえん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
吾妻鏡は「偽はりて称す云〻」と記し、大日本史は「秀郷陽に之に応じ、其の営にいたりて謁を通ず」と記してゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すなわち意を決して燕邸にいたる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
早稲田大学は学問の独立を全うし学問の活用をいたし模範国民を造就するを以て建学の本旨と為す
早稲田大学の教旨 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
静和なる保守家にして、然も泰西の文物を注入するに力をいたせし人なり。
その悪戯にいた機嫌きげんそこねた形、あまり子供がはしゃぎ過ぎると、若い母様おふくろにはてある図じゃ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
悪戯いたづらいた機嫌きげんそこねたかたち、あまり子供こどもがはしやぎぎると、わか母様おふくろにはてあるぢや、
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なぜむやみにしつこく笑うのか、なぜそんな訳から娘を殺すのか、政岡まさおかはなぜ幕をいたずらになが引かせるのかなど思う事さえある。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「坊ちゃん、お母様がお友達と仲よくこれを召し上がるようにって。………それから今日は好いお召を召していらっしゃるんですから、あんまりおいたをなさらないように大人しくお遊びなさいましよ」
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)