いた)” の例文
図画ずが先生せんせいは、すずめの大事だいじそうにって、はいっているすずめをいたわるようにして、あちらへいってしまわれました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平次の調子があまりに穏やかなのと、その言葉の奥に優しくいたわる響があるので、お鶴はびっくりして顔を挙げました。お鶴の想像していた御用聞という概念とはおよそ心持の違った平次です。
森の梢にすみかを造っている小鳥は、夢を驚かされて、雌鳥は雛鳥をいたわって巣の上にしがみ付いた。雄鳥は、慌しく巣の周囲を飛び廻って叫び立てた。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなはたがいにいたわりいながら、つきひかりたよりにあるいてきましたが、このとき、ちら、ちら、とゆきってくると、もはや、一まえへはすすめなかったのです。
春になる前夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)