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慰樂
とにかくその
初めは切
實な人間生
活の
慰樂として
遊びとして
創り成された
將棋に
違ひないと
思ふが、それを
慰樂や
遊びの
域を遙に
越えて
アナスチグマツト——さういふ
寫眞用語がいかに
歴亂として
私の
腦裡を
動き、いかに
胸躍るやうな
空想を
描かせ、いかに儚ない
慰樂を
與へたことか?
もっと
燭火を
持て、
家來共!
食卓を
疊んでしまうて、
爐の
火を
消せ、
餘り
室内が
熱うなったわ。……あゝ、こりゃ
思ひがけん
好い
慰樂であったわい。