“空想”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くうそう82.2%
くうさう9.3%
ゆめ2.3%
おもい2.3%
フアンタジー0.8%
おもひ0.8%
そらごと0.8%
ロマン0.8%
ロマンス0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「もし自分じぶんが、あの佐倉宗吾さくらそうごだったら。」と、空想くうそうしたことでした。あの悲惨ひさんきわまる運命うんめいにあわなければならぬと想像そうぞうしたのです。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
『ソレ、あの女王樣ぢよわうさまサ』とグリフォンがひました。『みんな女王樣ぢよわうさま空想くうさうだ、どうして一人ひとりでも死刑しけい出來できるものか。ねえ。おでよ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
もう十数年前の話であるが、ソ連のヴォドヴィヤノフが、「北極飛行」を敢行した時には、「如何にして空想ゆめが現実となったか」
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
もはや昔のように黒い家の窓から外を覗いて、虚空に細かな縞を織るように風に動いている森を見て空想おもいふけるようなことがない。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
併し人間の性格に哲學者政治家等に分化して行く可き自然の傾向があり、藝術家の空想フアンタジーに繪畫に據り彫刻に據り建築に據り文學音樂に據らむとする自然の個性があることは爭はれない。
三太郎の日記 第一 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
雲流れ少年はるかなる空想おもひ
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)
「いやいや、何かそちは、空想そらごとにおびやかされているのであろうのう。気配とやらいうものは、もともと衣としか見えぬ、ちぎれ雲のようなものじゃ」
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
旅へのいざないが、次第に私の空想ロマンから消えて行った。昔はただそれの表象、汽車や、汽船や、見知らぬ他国の町々やを、イメージするだけでも心がおどった。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
空想ロマンスの山の上のあけぼのもどのあけぼのも、たそがれもどのたそがれも彼女の美に比べることは出来なかった、その美の秘密はありとあらゆる蛍も夜のあらゆる星も知らなかった
人馬のにひ妻 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)