“室内”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しつない44.1%
なか22.0%
へや11.9%
うち5.1%
へやぬち3.4%
むろぬち3.4%
へやのなか3.4%
こゝ1.7%
ざしき1.7%
へやうち1.7%
まのうち1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
餘念よねんもなくたわむれてるので、わたくし一人ひとり室内しつない閉籠とぢこもつて、今朝けさ大佐たいさから依頼いらいされた、ある航海學かうかいがくほん飜譯ほんやくにかゝつて一日いちにちくらしてしまつた。
室内なかにいらっしゃるからあけてはいるように、……そう眼顔で知らせて若侍はまるで逃げるように、サッサと引っ返してしまう。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
丁度いま、僕が暗い室内へやに入るやいなや、なにか異変のあったことを直感したのも、全く同じ作用であった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「善さんもお客だッて。だれがお客でないと言ッたんだよ。当然あたりまえなことをお言いでない」と、吉里は障子を開けて室内うちに入ッて、後をぴッしゃり手荒く閉めた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そは我面色の土の如く變じたればなるべし。われは室内へやぬちの物の旋風の如く動搖するを覺えて、そのまゝはたと地にたふれぬ。
ここにその樂の日になりて、童女をとめの髮のごとその結はせる髮をけづり垂れ、そのみをば御衣みそ御裳みもして、既に童女の姿になりて、女人をみなの中に交り立ちて、その室内むろぬちに入ります。
すすきの穂が飛んで、室内へやのなかの老爺さんの肩に赤トンボがとまろうと、桜が散り込んで小禽ことりが障子につきあたって飛廻っても、老爺さんには東京なのか山の中なのか、室内なのかおもてなのか
もっと燭火あかして、家來共けらいども! 食卓テーブルたゝんでしまうて、せ、あま室内ざしきあつうなったわ。……あゝ、こりゃおもひがけん慰樂なぐさみであったわい。
ふとめざむれば室内へやうち
宿酔 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
と言った自分の声に、ふと目が覚めると……室内まのうち真暗まっくら黒白あやめが分らぬ。寝てから大分の時がったらしくもあるし、つい今しがた現々うとうとしたかとも思われる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)