“ざしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
座敷79.1%
坐敷10.4%
座鋪2.6%
中堂1.7%
坐舗0.9%
座舗0.9%
0.9%
室内0.9%
座上0.9%
棧敷0.9%
隔座敷0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其晩そのばん宗助そうすけうらからおほきな芭蕉ばせうを二まいつてて、それを座敷ざしきえんいて、其上そのうえ御米およねならんですゞみながら、小六ころくことはなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
是程の麗わしきお辰、何とてさもしき心もつべき、さりし日亀屋かめやの奥坐敷ざしきに一生の大事と我も彼もうきたる言葉なく、たがいに飾らず疑わず固めし約束
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ニノチユカは跡から追ひ掛けられるやうに、暗い室から座鋪ざしきへ出た。
板ばさみ (新字旧仮名) / オイゲン・チリコフ(著)
二人は家の中へ入って中堂ざしきの口に立った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
けれども、お鍋の腕力にはかなわない。無理無体に引立られ、がやがや喚きながらも坐舗ざしきを連れ出されて、稍々やや部屋へ収まッたようす。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お勢がまず起上たちあがッて坐舗ざしきを出て、縁側でお鍋にたわぶれて高笑をしたかと思う間も無く、たちまち部屋の方で低声ていせいに詩吟をする声が聞えた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お勢は近属ちかごろ早朝より駿河台辺するがだいへんへ英語の稽古けいこに参るようになッたことゆえ、さては今日ももう出かけたのかと恐々おそるおそる座舗ざしき這入はいッて来る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なかばまで言切らぬ内、文三は血相を変てツと身を起し、ツカツカと座舗ざしきを立出でて我子舎へやへ戻り、机の前にブッ座ッて歯を噛切くいしばッての悔涙くやしなみだ、ハラハラと膝へこぼした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そして、朱塗の門を入って往くと、そこにきれいな楼閣があって、一人のとしよりざしきの上に坐っていたが、七八十歳になる人のようであった。
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もっと燭火あかして、家來共けらいども! 食卓テーブルたゝんでしまうて、せ、あま室内ざしきあつうなったわ。……あゝ、こりゃおもひがけん慰樂なぐさみであったわい。
そこには綺麗きれいな羽のめずらしいとりがいて、人にれていて人が傍へいっても驚かなかった。その鳴く声は笛の音のようであったが、時おり座上ざしきへ入って来て鳴いた。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
今夜も棧敷ざしきからみのるの舞臺を見てゐた義男が一所であつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
わたしどもははしら障子しやうじほねくろずんだ隔座敷ざしきへとほされた。とこには棕梠しゆろをかいたぢくかヽつてゐたのをおぼえてゐる。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)